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必要に迫られて

ジ・エンターテイナー?ジョプリン / ピアノ・ラグ集

ジ・エンターテイナー?ジョプリン / ピアノ・ラグ集

Be My Last

Be My Last

DVD無しのほう。

横山幸雄のショパン「ピアノ協奏曲第1番」

新鮮な響きだ。これはデビュー・アルバムとのこと。横山は20歳前後のはずだが、若者の危うい情熱や思い余った勢いはなく、もの凄い安定感のある演奏だと思った。高くはないが美しくそびえる山のよう。この曲に関しては、額に汗して弾くのは本当の天才にしか許されていない(例えばアルゲリッチ)と思うので、横山の選択は妥当。オーケストラに喧嘩を挑むような弾き方はせず、ソナタを弾くように自分のパートの継続性・構成感を大切に、一音一音を丁寧に紡いでいく。このテンポでここまで丁寧な表情付けができるのは、力量のある証拠だと思う。いい音楽。

横山がショパン・コンクールでも第1番を弾いていたらどうだったのだろう。あの年のファイナリストの殆どが第1番を弾く中、横山は第2番を弾いた。その意図は? 第2番の録音はある?

Be My Last

Be My Last

Be My Last

最近の歌はサビ(?)より、歌い出しに命を賭けて作られているものが多い気がするな。

この曲も、ド頭がパワフルな内容だと思った。ギターのサウンドの作り方が美しい。凛としている。淡々と進む。時に表情過多でうるさい宇多田と対照的。儚い「Ah〜」が右から左へ流れていく。そして最後に真ん中の現実の宇多田がそれを捕まえる。同じ旋律を二つの声で重ねる。ギター、右からは運動的なパート、左からはシンプルに拍に合わせたパートが。二つの要素のぶつかりあいが、各所で起こる。と思ったらさっきまでが嘘のように音楽が流れ、全てが寄り添い合っている。ここまでに圧倒された。サビ前のベースの響きがいい。ゴーン、と来た。ここまでを最新の音響設備を備えた映画館で聴かせられれば、鳥肌が立つかも知れない。

後はその変奏に過ぎないと思う。混ぜて入れ替えて不安定にして。

発売前の試聴で聴いたのは「Be My Last」と歌われる前後。ここだけ取り出しても何もない。拍子抜け。ド頭の狂気が閉じ込められたサビな訳で、順を追って聴いていかないと全然オーラが感じられないし、買った人にだけその味わいを与えると言う感じかな? 表と裏、右と左、宇多田も二人居る。最後はどっちか分からなくなる。混沌とさせていく。

「1時間」にスポットを当てるのは何故だろう?

古本

音楽の不思議

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三文オペラ (岩波文庫)

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昨日のコンサート

感想を書いておこう。

キーワードは、「見世物」「棚から牡丹餅」「無駄遣い」かな。

一部開始。

ピアノの蓋を取り払ってあるのが疑問だった。ああいうアリーナ式のホールだと天井の反響板までの距離もあって、ただでさえ直接音が聴き取りにくいのに、発音部分からまとめて一定方向に音が出ない今回のようなやり方は無茶なのではないか。実際、音が散って散って、何が何だか分からなかった気がする。あのセッティングをやりたいがための措置だったとしたら、もったいない判断だったと思う。本物の音を聴いてもらういい機会なのに、見た目重視で企画が進められたのであれば残念至極。

比較的良かったのは、2台のピアノで弾かれた組曲。これは曲の内容も、演奏も、譜めくりも堪能できた。その次に演奏された合唱が入ったものは「?」だった。ソリストのパートをピアノで弾くのなら、合唱のパートもピアノ・アレンジしてやれば良かったのに、と思う。それにあのテンポは、ピアノの音色を楽しむテンポではない。複数の楽句の絡まり具合が聴き取れない。民謡アレンジの曲は、編曲が酷い。楽しげではあるが、それだけだ。邪魔をすると言うが、本当に邪魔をしてどうする。音楽と音楽のぶつかり合いが見えてこないと、面白くない。どうせならもっと雰囲気の違う曲を3種選ぶべきだったのではないか。それに、もっとピアニスティックなアレンジが可能だと思うのだが。最後、全員が客席にお尻を向けてしまうのはどうかと思った。最後のグリッサンド、手を痛めていないか心配だ。ある意味、スリリング。

二部開始。

一番得をしたのが、例のグループ。ベスト・コンディションとは言えない感じだったが、普段の演奏形態をそのまま持ち込んだ形のせいだろう、演奏者の集中力と僕の集中力がシンクロできていたと思う。同属楽器群の強みを見せ付けた感じ。一部の座りの悪さの後だっただけに、輝きがあった。

そして、最後全員での大曲。残念ながら駄曲・・・。合唱側と合奏体側とのバランスを取ることばかりに腐心しているようなアレンジで、合奏体の中の整理・工夫がされていないように感じた。せっかくの変則的な編成なのだ、楽器紹介のように順番に旋律を担当させるだけではなくて、もっと相互に影響し合うような場面があって然るべきだと思う。それぞれの良さを活かしたアレンジとは言えないと思った。妙に宗教じみているのも面白くない。一度聞いて分からない詩など、意味がない。闇雲に花火を打ち上げるような演奏スタイルにも脱力、その勢いが持続できるほどの力量もないようだった。この団体に対する僕の鬱屈した思いを吹き飛ばしてくれることを期待していたのだが、残念。最後に用意されたアンコール、ここにも不必要な演出が僕の集中の邪魔をする。戴帽式のノリかよ、と。

今回の演出をした渡壁某、構成をした新井某、僕は彼らを少し憎む。そして今回出会えた演奏家たち(大人数の一部を除く)、彼らを応援していこう。あまりにも可哀相だったから。

私信:基本的には楽しかったです。説得力ないw

クラシック倶楽部

今日の「クラシック倶楽部」はサンソン・フランソワだった。今、変換したら「山村フランソワ」になった。フランス王室のご落胤のフランソワは、革命の炎に包まれた母国を命からがら逃げ出して、日本の山奥にまで流れ流れてやってきた。根っからの社交人の彼は、言葉の壁も乗り越えて交流を重ねた結果、地元民に「山村フランソワ」と名付けられるまで溶け込んでいった。って、止めます。

グリーグ「ピアノ協奏曲」とラヴェル「左手のためのピアノ協奏曲」を、ルイ・フレモーの指揮で演奏していた。やっぱりボテボテッとしたタッチなのだな。柔らかそうな指だ。映像は白黒なのに、音には色がある、ような気がする。さすが、山村フランソワ。

明日の「クラシック倶楽部」はストラヴィンスキー。今週は豪華。