Be My Last
- アーティスト: 宇多田ヒカル
- 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
- 発売日: 2005/09/28
- メディア: CD
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最近の歌はサビ(?)より、歌い出しに命を賭けて作られているものが多い気がするな。
この曲も、ド頭がパワフルな内容だと思った。ギターのサウンドの作り方が美しい。凛としている。淡々と進む。時に表情過多でうるさい宇多田と対照的。儚い「Ah〜」が右から左へ流れていく。そして最後に真ん中の現実の宇多田がそれを捕まえる。同じ旋律を二つの声で重ねる。ギター、右からは運動的なパート、左からはシンプルに拍に合わせたパートが。二つの要素のぶつかりあいが、各所で起こる。と思ったらさっきまでが嘘のように音楽が流れ、全てが寄り添い合っている。ここまでに圧倒された。サビ前のベースの響きがいい。ゴーン、と来た。ここまでを最新の音響設備を備えた映画館で聴かせられれば、鳥肌が立つかも知れない。
後はその変奏に過ぎないと思う。混ぜて入れ替えて不安定にして。
発売前の試聴で聴いたのは「Be My Last」と歌われる前後。ここだけ取り出しても何もない。拍子抜け。ド頭の狂気が閉じ込められたサビな訳で、順を追って聴いていかないと全然オーラが感じられないし、買った人にだけその味わいを与えると言う感じかな? 表と裏、右と左、宇多田も二人居る。最後はどっちか分からなくなる。混沌とさせていく。
「1時間」にスポットを当てるのは何故だろう?