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横山幸雄のショパン「ピアノ協奏曲第1番」

新鮮な響きだ。これはデビュー・アルバムとのこと。横山は20歳前後のはずだが、若者の危うい情熱や思い余った勢いはなく、もの凄い安定感のある演奏だと思った。高くはないが美しくそびえる山のよう。この曲に関しては、額に汗して弾くのは本当の天才にしか許されていない(例えばアルゲリッチ)と思うので、横山の選択は妥当。オーケストラに喧嘩を挑むような弾き方はせず、ソナタを弾くように自分のパートの継続性・構成感を大切に、一音一音を丁寧に紡いでいく。このテンポでここまで丁寧な表情付けができるのは、力量のある証拠だと思う。いい音楽。

横山がショパン・コンクールでも第1番を弾いていたらどうだったのだろう。あの年のファイナリストの殆どが第1番を弾く中、横山は第2番を弾いた。その意図は? 第2番の録音はある?