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昨日のコンサート

感想を書いておこう。

キーワードは、「見世物」「棚から牡丹餅」「無駄遣い」かな。

一部開始。

ピアノの蓋を取り払ってあるのが疑問だった。ああいうアリーナ式のホールだと天井の反響板までの距離もあって、ただでさえ直接音が聴き取りにくいのに、発音部分からまとめて一定方向に音が出ない今回のようなやり方は無茶なのではないか。実際、音が散って散って、何が何だか分からなかった気がする。あのセッティングをやりたいがための措置だったとしたら、もったいない判断だったと思う。本物の音を聴いてもらういい機会なのに、見た目重視で企画が進められたのであれば残念至極。

比較的良かったのは、2台のピアノで弾かれた組曲。これは曲の内容も、演奏も、譜めくりも堪能できた。その次に演奏された合唱が入ったものは「?」だった。ソリストのパートをピアノで弾くのなら、合唱のパートもピアノ・アレンジしてやれば良かったのに、と思う。それにあのテンポは、ピアノの音色を楽しむテンポではない。複数の楽句の絡まり具合が聴き取れない。民謡アレンジの曲は、編曲が酷い。楽しげではあるが、それだけだ。邪魔をすると言うが、本当に邪魔をしてどうする。音楽と音楽のぶつかり合いが見えてこないと、面白くない。どうせならもっと雰囲気の違う曲を3種選ぶべきだったのではないか。それに、もっとピアニスティックなアレンジが可能だと思うのだが。最後、全員が客席にお尻を向けてしまうのはどうかと思った。最後のグリッサンド、手を痛めていないか心配だ。ある意味、スリリング。

二部開始。

一番得をしたのが、例のグループ。ベスト・コンディションとは言えない感じだったが、普段の演奏形態をそのまま持ち込んだ形のせいだろう、演奏者の集中力と僕の集中力がシンクロできていたと思う。同属楽器群の強みを見せ付けた感じ。一部の座りの悪さの後だっただけに、輝きがあった。

そして、最後全員での大曲。残念ながら駄曲・・・。合唱側と合奏体側とのバランスを取ることばかりに腐心しているようなアレンジで、合奏体の中の整理・工夫がされていないように感じた。せっかくの変則的な編成なのだ、楽器紹介のように順番に旋律を担当させるだけではなくて、もっと相互に影響し合うような場面があって然るべきだと思う。それぞれの良さを活かしたアレンジとは言えないと思った。妙に宗教じみているのも面白くない。一度聞いて分からない詩など、意味がない。闇雲に花火を打ち上げるような演奏スタイルにも脱力、その勢いが持続できるほどの力量もないようだった。この団体に対する僕の鬱屈した思いを吹き飛ばしてくれることを期待していたのだが、残念。最後に用意されたアンコール、ここにも不必要な演出が僕の集中の邪魔をする。戴帽式のノリかよ、と。

今回の演出をした渡壁某、構成をした新井某、僕は彼らを少し憎む。そして今回出会えた演奏家たち(大人数の一部を除く)、彼らを応援していこう。あまりにも可哀相だったから。

私信:基本的には楽しかったです。説得力ないw