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羽田健太郎さんが亡くなりました・・・。

だめだ・・・。ショックだ。本当に急なことで涙も出ない。

羽田さんのピアノ・アレンジが大好きだった。氏がアレンジしたミュージカル「キャッツ」の「メモリー」を何度も弾いた。中学生の頃だ。左手のアルペジオに工夫が多くて弾くのに難儀したが、何度か手に馴染ませるとすっきりして、これ以外にないという確信に満ちていることに驚いた。

トリプル・ピアノで硬派な役回りをする羽田さんは恰好良かった。前田憲男さんの本気さを隠す雰囲気、佐藤允彦さんのどこまでもクールなタッチ。その二人と対照的にピアノをねじ伏せるかのような羽田さんの姿勢が大好きだった。

僕のサントリーホール初体験は1991年の日本フィルの演奏会で、小林研一郎さんの指揮で「ラプソディー・イン・ブルー」を弾いたのが羽田さんだった。あの時の羽田さんの厳しい表情は、今思えば、トリプル・ピアノの時の羽田さんと重なる。「スター・ウォーズ」やルロイ・アンダーソンのキャッチーな音楽の中に混じって、俄かに聴衆に緊張を強いる演奏だった。「ラプソディー・イン・ブルー」のような屈託のない音楽なのに。

そしてこの前も・・・。暗がりの中でスポットを浴びて奏でられた羽田さんのドビュッシーを僕は忘れないだろう。人との出会いは儚い。伝えたいことや話したいことを躊躇してる意味も時間もない。生きることは取り返しがつかないことを繰り返していくことなのかも知れない。そんな気持ちをこれからまた感じなくて済むように、明日からも人に相対していきたい。