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題名のない音楽会21「激突!ガチンコ作曲バトル」

先週録画しておいた「題名のない音楽会21」を見る。作曲バトル、ということで、前田憲男さん・中西俊博さん・中川俊郎さんの三人が登場。番組が用意したお題に基づいて、三人が作曲・編曲を行なって、その違いを楽しもうという企画。お、パーカッションに山口ともが居る。これは楽しみだ。さて、お題は以下の内容。

中村紘子さんからの依頼「愛犬のためのダイエット音楽」

愛犬"うるめいわし"ちゃんとVTRに登場した中村紘子さん。ミニチュアダックスフンドの愛犬は、太り気味。そこで、愛犬がダイエットをする気になるような曲を、という依頼が出された。ショパン「小犬のワルツ」を元に編曲。

  • 中川俊郎さんは二拍子に旋律を嵌め込んで、ぎこちなさを演出した感じで面白い。ワルツを踊ろうとして、軽さが身に付けられずに二拍子になったような。これは楽しい。
  • 中西俊博さんは「小犬のワルツ」に「子象の行進」を挟んだという意味の無い内容。それも唐突に曲が変わるだけというお手軽さ。子象から、太ったダックスフンドを彷彿させようとでも? 最後は犬の鳴き声を模した雑音でお茶濁し。これはいけてない。演奏後に羽田健太郎さんが「ハ長調ショパンを弾くのは難しい」と言っていたが、これは安易に移調した中西への皮肉だろう。
  • 前田憲男さんは思い切ってエクササイズ風。これはアイデア勝ちかなあ。こういうのをテレッと出す辺り、大御所ですね。

剱伎衆かむゐからの依頼「新感覚の殺陣音楽」

次の依頼は、殺陣をパフォーマンスにしている剱伎衆かむゐから。"世界に受ける"というただし書き付きの、よく分からない内容。三人の音楽に合わせて、舞台上で殺陣が演じられていた。

  • 中川俊郎さんはJazzっぽい音色感。適当な表現ですいません。不思議な浮遊感が横溢している。ピアノの内部奏法も織り交ぜて、全然殺陣っぽくない音楽を展開している。画期的だと思う。新しい感覚。世界に受けるかどうかはわからないが、今までに無い感じは一番強い。
  • 中西俊博さんはここでもいけていない。ヴァイオリン一本での演奏で、琵琶などの弾き和楽器な音色を出したりして、何とも在り来たり。イマジネーションが貧困だと思う。冒険が無いじゃないか。
  • 前田憲男さんは、学徒動員の話をしながら、自身が「死」をイメージする曲を元にしていた。これはこれで悲壮感が漂っていて、運動的な殺陣とのコントラストが面白かった。

だが、剱伎衆かむゐが選んだのは中西俊博さん。どこが「新感覚」なのだろう? この人たちも冒険が無い。

「クラシック娘。」からの依頼「クリスマス・ソング

つんく♂プロデュースの「クラシック娘。」からの依頼。コンサートで使えるようなクリスマス・ソング

  • 中川俊郎さんは金属質で冷たい音が多くて、なかなか。最後にドラが慣らす音に歌詞「born」をあてていた。
  • 前田憲男さんは普通にジョン・レノンの曲をアレンジ。王道な内容。

選ばれたのは、前田憲男さん。まあ、コンサートではそうだわな。

羽田健太郎さんからの依頼「帰りたくなる"夕焼け小焼け"」

関東圏では帰宅時に流れる音楽なのだろうか?

  • 中川俊郎さんは、ハーモニーを想像と少しずつずらしては違和感を出しつつ、最後は寂しさな表情を出していく。この人は音の色に対するこだわりが深いな。最後は虫の鳴き真似なども使いながら。人恋しくなる不思議な感慨を残してくれた。
  • 中西俊博さんはここでも良くないと思う。自分の演奏スタイルで始めて、あとは虚仮威し。山口ともが怪しい動きと怪しい音を出しているのが笑える。唯一の救い。
  • 前田憲男さんはボサノヴァ風な曲調で始めて、いきなり北島三郎の「帰ろかな」へ、そして大阪のおばちゃん風のセリフ「早よ帰っといで!」、そして「365歩のマーチ」で締めた。

羽田健太郎さんは前田憲男さん編曲を選択。
・・・
三人それぞれが自分のスタンスを押し通した感じ。僕の感じる「編曲」の概念に一番近かったのは、中川俊郎さん。作曲的な要素も三人の中では一番加味されていて、映像に音楽を合わして来たキャリアの強みがあったように思う。と言うよりか、僕はこういう度を越さない驚きのある響きが好きというだけ。けど、こういうのは受け入れられないのだろうか。中西俊博さんはアイデアも陳腐だし、想像力が足らない。前田憲男さんは確信犯という感じか。「編曲」というよりも「メドレー」なのが多かったのは残念。でも自然な響き。バランス感覚が優れているのだろう。

そして、今日の主役はパーカッションの山口ともさん! 中西俊博さんの曲のバカなパーカッションは、アイデアは山口さんだろw 缶箱を履いてバコバコ歩いたり、カラスの人形を使ったり。どんどん目立って欲しい。面白いなあ。弾けるならこれくらいやらねば!