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ライブでの「大迷惑」を聴いた〜ユニコーン「勤労ロードショー〜 LIVE IN JAPAN」

シングル「WAO!」、アルバム「シャンブル」、DVD「蘇える勤労」に続いて、こんなものまで。2009年はユニコーンのおかげで本当に飽きることなく過ごせたし、いい意味で気が紛れる瞬間が多かったのだ。そして最近は、このCD「勤労ロードショー」を携帯に取り込んで通勤中に聴いていたりする。

僕は昔、友人たちとバンドを組んでいたことがある。組んでいたというとおこがましい。僕は正メンバーではなくて、「ピアノを弾ける」ということでの助っ人、恰好よく言えばサポートメンバーだった。バンド・カラー的に女性を入れたくはなかったらしく、重宝がられていたわけである。彼らとは寂びれたライブ・ハウスで練習を重ねて、そのライブ・ハウスや学園祭の体育館で何本かのライブをした。曲は全てバンド・スコアを使ってのコピーばかり。その中にユニコーンの曲があった。

「大迷惑」。当時、CDからタビングしてもらったテープを聴いてみると、シンセ一つでは演奏できないようなアレンジだった。ホーン・セクションはガンガン鳴る。ヒョロヒョロと隙間を埋める木管楽器。サビでのストリングス。そして要所要所でオケ・ヒットが突き刺さる。当時の僕は、これをどうやって演奏すればいいのか悩んで悩んで、最後はオルガン系とストリング系の2種類の音色を選んで、弾けるところだけを弾いたのだった。気持ち的には消化不良の本番。

そして今聴いている「勤労ロードショー」での「大迷惑」である。これだ、この音。こういう音でやっていたという記憶が甦った。こういう音を弾いていた自分は、CDのような多彩な音色が出せないことを引け目に思い、最後まで熱を入れられずにいた。けど今、「阿部義晴もこういう音色選択と音の間引きをしている」と思うと、気持ちが昂ぶってくる。当時の僕らの「大迷惑」を聴いて盛り上がっていた観客*1のことが目に浮かんだ。それを見ながらも、自分の演奏に冷めていた僕。そのことを今、反省した。一緒に楽しむことが出来たら良かったのにな。「勤労ロードショー」の「大迷惑」を生で聴いた観客と、演奏するユニコーンのように。

音楽は時を越えるんだな、とクサイことを思う。聴いたものや、感動の体験は決して失われない。結局、バンドのメンバーとは、オリジナル曲を作るというようなところに到達する前に、卒業を迎えて別れ別れになってしまった。彼らも今のユニコーンを聴いているだろうか。

*1:同級生や後輩が殆どだけど。