テンシュテット/北ドイツ放送交響楽団のマーラー「交響曲第2番 ハ短調『復活』」
「First Classics」という見た目ですぐ分かるような海賊盤レーベルのCDを何枚か持っている。クラウス・テンシュテットが北ドイツ放送交響楽団を指揮したマーラーの「交響曲第2番 ハ短調『復活』」はその中の1枚で、僕の「復活」への没入度を一気に引き上げてくれた録音。今日はこの録音を携帯電話に取り込んで楽しんでいる。以前聴いていた時はポータブルのCDプレーヤーでCDを再生していて、イヤホンも今のものとは違うものを使用していたせいなのか、新鮮に聴けている。頭から凄く情熱的。じっとりと聴かせるところの音の濃さに驚いて、弾みをついたフレーズの音の起ち上がりに気持ちが晴れやかになる。マーラーの音楽が好きだな、僕は。男声合唱が素晴らしい。歌ってみたい。
マーラーほど指揮者の音楽性の違いが現れる作曲家は居ないのではないかな。ショパンの音楽からピアニストの個性が拭いされないのと同じで、マーラーを指揮するにはある一定の主観性を求められる気がする。
録音の方式のせいなのだろう、終楽章で音量が上がってくると自動的に音を拾うレベルが下げられるような瞬間が多々。海賊盤に録音の文句を言っても仕方がないが、残念至極。最後の感動に水を差される。それでも、僕を「復活」の複雑な美に導いてくれた部分は輝いていたままだった。好きな音楽だ。
テンシュテットの「復活」には、ロンドン・フィルとのスタジオ・レコーディングがある。同じマーラーの交響曲第1番と組み合わせた2枚組のCDで持っているのだが、どんな演奏だったか今思い出せない。帰宅したら聴いてみたい。
両CDのレビューを見つけた。