指揮者・佐藤功太郎さんが亡くなられました
ここまで訃報が続くのが怖い。
http://www.asahi.com/obituaries/update/0615/001.html
東京芸術大学繋がりのせいなのかどうか分からないが、佐藤さんは矢代秋雄作品の録音をされている。僕はその録音を通してしか氏の音楽には接していない。まず、この録音。矢代秋雄の「交響曲」と「交響的作品」が収録されている。
- アーティスト: 佐藤功太郎,矢代秋雄,東京都交響楽団
- 出版社/メーカー: フォンテック
- 発売日: 1992/10/25
- メディア: CD
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音楽の揺れ動きには欠けるかも知れないが、重心の低い響きの作りはとても好きだ。作品の持つ堅固さを自然に感じさせてくれる。「交響曲」の録音も、渡辺暁雄盤、湯浅卓雄盤、井上喜惟盤と増えてきたが、第1楽章の和声主題の広大な表情や、第2楽章最後の猛烈なGrosse Caisseの打音など、佐藤さんの録音だけでしか聴けない音楽が確かにある。第3楽章の粛々と楽譜を音響化していく上で染み出してくる味わいも素晴らしい。和音が鳴るだけでも感情的な瞬間が多いのだ、この作品は。また現時点での「交響的作品」の唯一の録音として、長く伝えていかねばならない演奏だと思っている。
そして、舘野泉さんとの「ピアノ協奏曲」。折角なら「チェロ協奏曲」も佐藤さんの指揮で聴いてみたかった。