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ベネズエラの音楽教育システムについて考えている

考えながら書く。結城浩さんの自動書記式に。

ベネズエラの音楽教育システムのドキュメンタリーを夕べ見て、考えさせられた。まずは彼らの熱意に、僕は負けているかも知れないという悔しさが先にあった。

ただ、この音楽教育システムがどう実践されてきたのかは、このドキュメンタリーでは語られていないということも感じた。26万人もの人が使う楽器はどう準備したのか。指導者はどういった素養の人々が揃えられているのか。コンサートはどんな頻度で開催されているのか。通常の学校教育との繋がりはあるのか、などなど。

ベネズエラはスペインの植民地だった。ということは、スペインの音楽文化が深く流入している可能性が高い。言葉もスペイン語だ。音楽の感じ方と言葉には強い連関があるが、ヨーロッパ言語を話していることで、ヨーロッパ音楽の理解が進むことは自明のことだろう。その点で、日本よりはクラシック音楽の受容が進んでいると思う。ベルリン・フィルに入ったベネズエラ人が居るらしい。彼の出身地に住む人々へのインタビューで、街の人々はその事実を誇らしげな表情で歓迎していた。そんなことが日本であるだろうか、と。安永徹清水直子が入団した時はどうだったのだろう。そんなことはさておいて、ベネズエラという国では、クラシック音楽が浸透し実践されうる土壌があったのだろうと思う。

日本には吹奏楽がある。演奏人口は多いし、中学校・高等学校に吹奏楽部が置かれることは一般的なことだ。ではなぜ、オーケストラではなくて吹奏楽なのだろう。それは日本の弦楽器教育が、質はさておき量の面で、貧弱だからなのだろう。ではなぜ貧弱なのか。それは日本が大陸でないからなのかも知れない。日本に古くからある弦楽器のその殆どが、弦をはじくものばかりだ。ヴァイオリンのように弦を弓でこするような楽器としては胡弓があるが、琴や三味線ほどに日本文化に根付いている楽器ではない。弦楽器は動物の腸で作られた「弦」と、馬の尾の毛で作られた「弓」で構成されているのだが、ここだけ見ても、日本という国に弓を使う弦楽器が定着してこなかった理由が思いつく。楽器製作に使用できるだけの材料が確保できないのだ、おそらく。

だからなんだっけ? いったん休憩。