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梨木香歩のエッセイと藤原旅子と陵

梨木香歩の「ぐるりのこと」を読む。この人の小説の、緩やかに固定された文体とは雰囲気が違って面白い。読みにくさを感じるほどに読点が打たれて、どんどんと言葉が続いていく、そういうのに何度か出会うと、覚醒的に乗せられていく。この人の思考がそこにある、という感じ。買って良かった。

このエッセイに出てきた人物、藤原旅子。藤原百川の娘。色々検索しては面白がっている。陵がある場所は、少し頑張れば訪れられる距離。ぜひ一度足を運んでみたい。

僕は陵が好きだ。京都にはたくさん天皇陵があって、ワクワクした。だって光孝天皇陵とかあるのです。光孝天皇と言えば、「わが衣手に雪は降りつつ」の光孝天皇。だって一条天皇陵とかあるのです。一条天皇と言えば、彰子・定子の一条天皇。それに花山天皇陵とかあるのです。藤原伊周に矢を射掛けられた花山天皇、射掛けられた時は上皇だったが。そこに埋葬されているとかされていないとかは、正直なところどうでも良くて、誰かを弔う気持ちが形になっているということに、深々と感動してしまう。あまり有名でない陵でも同じ。皇后陵とか、誰某の娘の陵とか。ああ、こんなことを書いていたら、明日香村に住みたいと思っていた頃のことを思い出してきた。