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北村薫「盤上の敵」

盤上の敵 (講談社文庫)
北村 薫
講談社
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単行本が出て以来なので、9年ぶりの再読になる。スッキリまとまったミステリだと思う。もっと凄惨な描写があったような記憶があったが、それくらいに、北村薫がこれを書いたことが9年前の僕にとって衝撃だったということか。それでも調べてみると「盤上の敵」は、「ターン (新潮文庫)」の翌々年、「朝霧 (創元推理文庫)」の翌年に書かれていて、その2つの作品では人間の暗部にも踏み込みつつあるという印象がある。順に読み進めている時には何も気付かなかったのだけど。「盤上の敵」での学校内のふとした風景描写には現実味があって、読んでいると懐かしくて、そして辛くなる。