長嶋有「タンノイのエジンバラ」
タンノイのエジンバラ (文春文庫 (な47-2))posted with amazlet at 08.10.07
タンノイのエジンバラ (文春文庫 (な47-2))
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「タンノイのエジンバラ (文春文庫 (な47-2))」を読んでいる。表題作になる「タンノイのエジンバラ」と、続けて収録されていた「夜のあぐら」を読み終えた。「タンノイのエジンバラ」はあっと言う間に終わってしまう。風に頬を撫でられたような、感覚はあるのに目に見えないものに接したような感慨が残った。「夜のあぐら」は本当に短い話なのだけど、登場人物それぞれが抱える問題の暗さ・深さが迫ってくる様は、長編小説を読んだ時のそれに近い。途轍もなく巨大な世界を描いていると思う。