宮城谷昌光「晏子」
- 作者: 宮城谷昌光
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1997/09/30
- メディア: 文庫
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と言うわけで読了。晏弱を描いている部分では流れるような物語性があって、どんどん引き込まれていった。莱を併呑する部分の爽快さ。多くの人と接することで、大らかに伸びやかになっていく蔡朝が印象的。そして晏嬰を描いている部分では、インパクトのあるエピソードを群島のように繋いでいく。その一つ一つの衝撃に揺さぶられたまま、今も。一部の書評の中には晏弱こそが主役だとするものもあるが、その部分には首肯しかねる。晏弱にはしなやかな生き方と、そして良い意味での策があるが、晏嬰の真っ直ぐさはそういったものさえも寄せ付けない。この対比あっての、晏弱であり、晏嬰なのだ。きっと。
いやー、すっきり。