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クライバーの指揮姿

ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調 作品92 [DVD]
ユニバーサル ミュージック クラシック (2004-12-22)
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Youtubeで見つけた映像に惹かれて買ってしまった。買って良かった。

否も応もなく、コンセルトヘボウの奏者は弾かされてしまっている感じがする。やっぱりクライバーのタクトには魔法がある。クライバーの指揮姿は、音を消して見ているだけでも綺麗な指揮。もちろん鳴っている音楽にも、とても合っている。けど音楽に合わせて踊っているわけではなくて、鳴っている音楽の推進力を作り出しているのがクライバーなのだ。テンポが思っているのと違っていたのか、煽りに煽りだすところのクライバーが凄い。ベートーヴェン交響曲7番の終楽章の頭から暫くの間のところ、普通に始まったと思ったら、全身を使って刻みを強調し始める。怖い。鬼気迫るものがある。交響曲第7番の指揮は感覚的だ。部分的には振り間違いじゃないかと思える箇所もある。交響曲第4番の指揮には理性がある。第7番と第4番の音楽の違いかも知れないが、キューを丁寧に出すのは第4番のほうだ。それでも第4番での指揮だって、他の平凡な多くの指揮者に比べれば、ずっと天才的で即興的なのだけど。

終わった途端に、スタンディング・オベーション。これも観客がクライバーに立たされてしまった感じだ。この人、音楽の悪魔だ。天使ではない。心乱され、興奮させられる。

このDVDに触発されて、下野竜也金聖響が同じ第7番を指揮しているこの映像を見たくなってしまった。見る。二人とも良くないですね・・・。比べてごめんなさい。当たり前のことだけど、指揮者は右手と左手で同時に違うことが出来ないといけないわけだが、やはり難しいのかな。クライバーのどこから手が飛んでくるのか分からなくなるような意外感はなくて、そしてどこか計算ずくな指揮の二人。音楽への没入度はとても低いし、かいている汗の量もクライバーには及ばないだろう。以前は下野さんの指揮に誠実さを読み取っていたが、今は鈍さが先に立つ。勝手なものだ、僕。金さんの指揮は、右手で1拍目を打って、左手で2拍目を打って、みたいな妙なことになっていることが多い。やたらとOKのジェスチャーを出しているが、誰に向かって出しているのだろう。何度か同じ場所でOKのジェスチャーを出しており、音を聴く前から出しているのではと勘繰ってしまう。そして、音楽の進みを止めてしまうような動きが見られるところも感心しない。