恩田陸「夜のピクニック」
- 作者: 恩田陸
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/09/07
- メディア: 文庫
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今朝の行きの電車で読了。力技ですね。これぐらいの長さの本だとプロットだけで押しきれないし、登場人物の人間味や抱える背景が大切だな、と。読んでいてかなり感情移入してしまった。一緒に歩いた気分。決して説明臭くなく、知らないうちに色々小さなパンチを受けている感じ。小さな逸話の描き方が素敵なのだな。何気ないようでいてキラキラ輝く逸話の集まりが、まとまって迫ってくる。池上冬樹さんが解説の中で「いつまでも読み続けていたい小説」と表現していた。同じ気持ちで読んでいたので、池上さんの文章に心の深いところを撫でられたような感触が。恥ずかしい。最後のとこが自然な技術で美しい。芥川の「六の宮の姫君」を彷彿させる。