鈴木秀美の言葉に接して
これを読んでいる。
- 作者: 鈴木秀美
- 出版社/メーカー: 音楽之友社
- 発売日: 2000/11/01
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鈴木秀美さんがどんなことを言われているかと楽しみにページを繰る。この人の楽譜の読み方、楽器の歴史の把握の仕方などを知るうちに、この人のバッハやシューベルトを聴きたくなってきた。コンサートのプレトークのような、と思ったら、コンサートのプログラムやライナーノートを転載したものが多かった。
この人の生の考えはこんな風に書かれている。
もちろん、最終的には好きでないものを選ぶことはできませんから、モダンならモダンで自分が確信を持てる楽器で音楽をするべきでしょう。しかしその場合にも、元々の楽器の状態、或いはその曲のオリジナルである楽器を自分の体で知っているのといないのとでは、演奏に大きな違いが出てくる筈です(頭で知っている人は多勢います)。残念ながら、楽器とそれぞれの時代の音楽との調和、楽器の機能や音楽的役割を熟知するのはそう短期間で出来ることではないのです。一つの楽器がどのような状態であるか、どういう音が一番その楽器、その音楽に相応しいかを知るのには、多くの他の事を知る必要があるからです。
知ることに終わりはないし、何かを知ったと感じるためには、それ以外の多くのことを自分のものにする必要がある。今、最新の演奏方法論についても、色んなことに影響されながら変化していくものだから、知り続けようとするスタイルがオリジナルなのだと思った。「これがバッハ!」「これがモーツァルト!」「これがベートーヴェン!」というのは、ピリオドでも何でもないのだ。