作曲家への思いシリーズ「スウェアリンジェン」
スウェアリンジェンは今も新曲を書いているのだろうか。少し気になってきた。後で調べてみよう。それでも僕にとっては「シーゲート序曲」を超える曲はないような気がしているが。
関西に出てきて驚いたのが、スウェアリンジェンを演奏したことがない人が居ること。「スウェアリンジェン? 私、アレンジ物しかやったことないから!」みたいな感じで・・・。吹奏楽盛んな地域ともなれば、スウェアリンジェンなどは箸にも棒にもかからないのかと劣等感を持った覚えがある。そして僕は、自分のスウェアリンジェン演奏経験を封印した。「チェスフォード・ポートレイト」の中間部で涙を流したことも、「アヴェンテューラ」のベル・トーンに酔ったことも、初めて合奏して指揮した曲が「コヴィントン・スクウェア」であることも、全て。
けど、僕に合奏の楽しさを教えてくれたのが、「シーゲート」や「チェスフォード」であったことは変えようもない。それらの曲を聴き直す機会があれば、その厚い響きに浸っていた頃の充実感がまざまざと甦ってきてしまうのだもの。学生の頃はそれに蓋をしては、ラフマニノフやハチャトゥリャン、スミスやスパークを演奏する日々。いや、ラフマニノフやスパークが悪いわけではないのだけど・・・。
でも今から考えてみれば、スウェアリンジェンが初心者に配慮した作品を書き続けていることは、誰もが知っていることなわけだから、そんな劣等感の塊のように自分の演奏経歴に蓋をしてしまうことはなかったのだ。ツェルニーからピアノを始めたことを、恥ずかしがる人は居ない。ただ、バイエルやツェルニーがピアノの全てでないことは自明のこと。けど、僕にとってはスウェアリンジェンが吹奏楽の全てだった頃があるのだ・・・。と、劣等感の堂々巡りw
今、現役の吹奏楽指導者であれば問題ないと思うのだけれど、その方々の多くに感じて欲しいことがある。スウェアリンジェンを演奏することは簡単で、生徒たちもそれなりの充実感を得られるのは事実だけど、その向こう側には吹奏楽作品の多様な拡がりがあるということを教えてあげて欲しい。同じ管楽器を使っている作品にも、色々な可能性と色々な響きがあるということを、さ。その上で今スウェアリンジェンを選んでいる理由を深めて欲しいのだ。ツェルニーを始める人も、ベートーヴェンやショパンを知っているわけなので・・・。いや、スウェアリンジェンが簡単だからいけないというわけではない。スウェアリンジェンは、何となくスムーズに響きが作れてしまうので、それ以上なかなか深められないという難しさもあるのだけれども・・・。
まあ、難しいですね、音楽は。
何書いてんだ、有りがちな視点でw また今度書こう。
- アーティスト: ジェイムズ・スウェアリンジェン,汐澤安彦,東京佼成ウィンドオーケストラ
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