N響アワーでマリナーの映像

マリナーが客演した際の映像が放送されています。これは嬉しい。マリナーは良い指揮者だと思う。録音が多いからか、軽く見られがちな気がするが、バランス感覚が鋭い人だと思うんだ。録音も押し並べて完成度が高い。ウォルトンをまとめて録音してるし、僕の贔屓目は確かです。

最初はRVW「タリスの主題による幻想曲」。このセッティングでやっているところを見せられると、面白味が増す。この曲にはRVWの後の世代の作曲家たち、例えばハーバート・ハウェルズとかが衝撃を受けたらしい。このN響の演奏はある意味で衝撃。裏声のように微かに表情に変化を出しながら歌い込んで欲しい箇所(B.&H.のスコアで練習番号Rの前辺りとか)が、ちょっとN響が一生懸命過ぎて・・・。いや、時代ですかな。経済成長中ということで。

続けてブリテンの「青少年のための管弦楽入門」、これもこれですね。この曲を聴くといつも思い出すのが、アニメの「タッチ」でかかっていたこと。上杉和也が死んだ後で、上杉達也が大きな音でレコードをかけるシーンがあるのだが、そのレコードがこの曲だった気がするんだが・・・。記憶曖昧です。まあ、冒頭はとても悲壮感のある旋律なので分からんこともないのだが、その後に諧謔味のある部分が続いたりもするので、人の死には合わないんじゃないかと思ったりしていた。それまでクラシックを聴く習慣のなかった達也が、和也の好きだった曲を聴くことに意味があるんでしょうけども。どうでもいい話です。

この時は、ティペットなども演奏したらしい。おい、今日放送してくれよ！ N響がティペットをどう捉えたか、見てみたかった。ライセンス料の問題？ と失礼な発言。

ところで、マリナーはこれ以後、N響には客演していないらしい。N響が嫌がったのか、マリナーが嫌がったのか、どっちだろうか。マリナーかな。

N響の団員が若くて笑えます。あの薄いティンパニストは百瀬さんなのだろうか。あの細いテューバは、もちろん多戸さんだよな。髪の黒いトロンボーン伊藤清さんも。