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なりふり構わず音楽するコープマン

夕べの深夜に、NHK BS2トン・コープマン/アムステルダムバロック・オーケストラの演奏が放送されていた。クレジットには1991年とあったので、没後200年の時に来日した映像だ。演奏されたのはモーツァルトの「交響曲第5番 K.22」「交響曲第7番 K.45」。

このトン・コープマンという人はレオンハルトの門下なのだが、師にある厳格な雰囲気は皆無。いや、気持ちの根元には作曲家や作品に厳しく接するものがあるのだろうが、ヴィジュアル的には皆無。正直、なりふり構わず指揮する、音楽する、その姿は恰好悪い。それほど大きくも無い背が、更に小さく見えるほどの猫背。鶏のように頻繁に首を振り、ボケーッと口を開け、笑みを振りまく。キリッと演奏するオーケストラの雰囲気とのギャップに、最初は笑ってしまったほどだ。

だけどコープマンのテンションは全く下がらず、音楽する喜びのようなものが常に放射され続けている。その喜びが僕にもどんどん伝染してくる。その恰好悪さが、神々しく見えてくる不思議。今、ここで演奏をしている誰よりも、この演奏を聴いている誰よりも、コープマンがこの作品を理解し楽しんでいる。自分を恰好良く見せようなんてことは、この人は微塵も考えないのだろうな。そこには音楽する魂だけがある。

触発されて思わずこのCDを引っ張り出して聴いている。250年、おめでとう。あ、まだか。

Mozart:46 Symphonies

Mozart:46 Symphonies