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村上春樹と音楽

村上春樹と言えば、最近はどうもクラシック音楽らしい。「1Q84」でのヤナーチェクの「シンフォニエッタ」、「海辺のカフカ」でのシューベルトピアノソナタ ニ長調*1。まあデビュー作の「風の歌を聴け」にもグールドやバックハウスが出てくるので、作品世界にクラシック音楽を登場させるのは彼の基本路線と言ってもいい。「1973年のピンボール」には「調和の幻想」が出てきて、「ねじまき鳥クロニクル」では「泥棒かささぎ」を演奏するアバドロンドン交響楽団の記述が登場してた。スパゲティーを食べたくなってきた。

村上春樹に登場する音楽、最初期のほうはもっと洋楽が中心だったような印象がある。何と言ってもビーチ・ボーイズ。「風の歌を聴け」での「カリフォルニア・ガールズ」。いい曲と、さり気ない扱い。あ、読みたくなってきた。「ダンス・ダンス・ダンス」で主人公の「僕」がこき下ろす洋楽が羅列されるところは面白い。ヒューマン・リーグは「馬鹿げた名前」呼ばわり。モンキーズは「ひどかった」らしい。どちらも聴いたことがない。

ここ数年の村上春樹の著作での音楽の扱い方は、作品世界の根本に据えられたり、主人公に影響を与えるような役割を担わされたりする傾向があるように思う。かつてはもう少しBGM的な扱いであったり、主人公の好みを示唆させるものであったりする程度だったかと。だから、「1Q84」でのどこか執拗さを伴う「シンフォニエッタ」の登場の仕方は、意外だった。

*1:番号忘れた。