大阪フィルハーモニー交響楽団「第408回定期演奏会」
定期演奏会 : 大阪フィルハーモニー交響楽団 - Osaka Philharmonic Orchestra
大阪フィルハーモニー交響楽団「第408回定期演奏会」
行ってきた。大阪フィルを聴くのは下野竜也が登場した一昨年の11月以来。井上道義の実演は初めてだったのかも知れない。座った周囲を見てみると、年齢層が高い印象。雨が降っていたせいか、空席もちらほら。
全体的な感想としては、安定感が凄いなということ。頼りない瞬間もないではないが、それとなくしっかりした音像にまとめてしまう辺りに、老獪な技術を感じる。大阪センチュリーを聴いた時の衝撃はなかったけど、歴史あるオーケストラの底力を見せられた2時間だった。
伊福部昭が楽しかった。井上さんは殆ど盆踊り状態の指揮姿。客席からも笑いが漏れている。楽器の胴を叩くチェロやコントラバスが楽しそう。井上さんの指揮は予備拍がはっきりしないせいなのか、音の出にグルーヴがない気がする。ズルーッと始まって、2拍目くらいからしっかりした鼓動が注入されるような印象を持った。テンポの変わり目などでもそんな傾向が強い気がする。エネスコは一部崩壊しそうな場面もあるが、それでも踏み止まって最後のクライマックスを導き出した。ここでは伊福部やリストに比べると、井上さんの指揮もジェスチャーがしっかりしていた。
プログラムの前半のオーボエはおそらく大森悠さんだと思う。この前まで大阪シンフォニカー交響楽団の首席だったはずなのだが、こんなところに。オーディションを通ったのだろうか。リズミカルなフレーズや、くっきりした場面での瞬発力には感心したが、部分的に艶のない音が感じられたり、長く歌い込む部分での音の飛びに頼りなさを感じないでもなかった。第2部のトップ奏者との違いはそこか。
この日の白眉はディーリアスだろう。いい作品を、いい演奏で聴かせてもらえた。感謝。奏者の息遣い。難しいところ、盛り上がるところ。実演でなければ味わえない至福の瞬間が次々と訪れる。木管楽器が素晴らしかった。ホルンも十分。曲が終わった後に井上さんがホルンのソロを担当した奏者を立たそうとしたが、目配せしあって断っていたような感じだった。
最後はラヴェルなのだが、ディーリアスで減らしていたプルト分が出てきたのだけど、チューニングが始まらないうちに井上さんが入場してしまった。オーボエ奏者が納得いかない表情を見せていた。そんな雰囲気を見せられたままで、受け取る側も・・・。あと、「夜への前奏曲」の静謐な雰囲気の中で豪快な咳をする客の多いこと多いこと。少しでも口を押さえてくれたらいいのにな・・・。手元のチラシを落とす音も。居眠りかな?
終演後に、井上さんが短くスピーチ。大阪フィルが創団60年で、井上さんも還暦ということで、そういう話。
会場で耳にした印象的な言葉。
泣きそうになったw 何に対してか分からないがリベンジにこれを聴きました。
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