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ホルスト「吹奏楽のための組曲第1番 変ホ長調」

シエナ・ウインド・オーケストラの「ブラスの祭典(3)」を聴いた。久しぶりに。

この曲を初めて演奏したのは10年以上前だけど、あの頃は第3楽章「行進曲」にばかり熱を上げていた。冒頭の恰好よさ、中間部の美しさ、そして恰好よさと美しさが混ざり合って大団円。金管楽器を吹いていたせいもあるのかも知れないが、第3楽章に比べると第1楽章「シャコンヌ」の主題は掴み所がないし、第2楽章「間奏曲」は吹く場所も少なくてw 今考えてもバカな思い込み。今聴けば飽きの来ないシャコンヌ旋律に、文句はないどころか奇跡だと思う。第2楽章にはまだ隠されている秘密がある気がしている。まるで宝箱のような。

ところで、シエナの完成度は高いと思うけど、この曲の仕掛けの面白さは伝えてはくれない。レガートな処理が多くて、この曲の機構的な部分に焦点があたらないのだ。

この曲の仕掛け、例えば第1楽章の第13変奏には、前の変奏のエコーが聞こえはしないか。2nd.、3rd.クラリネットらがEsのスケールを演奏するのだけど、上り切った後の音形は第6変奏のトロンボーン等の回帰だと思う。第13変奏の後半(練習番号Fの3小節前)の1st.コルネットクラリネットやホルンには2拍単位でスラーが付けられていて、3拍子の中に突如登場する2拍子のような、ヘミオラ的な効果があるのだけど、これは第7変奏の最後で2nd.クラリネットに登場している。だから第6変奏の後半でもヘミオラ的なフレージングでも取り入れる解釈は有りだと思うし、第7変奏の後ろでもこの拍節感を印象付ける工夫が必要だと思うのだが・・・。

あと絶対外せないのは第3楽章の23小節目、1st.コルネットが上のAsの音からスケールそのままに、「As・G・F・Es・D・C・Bb・As」と下りてくるのだけど、25小節目のホルンがそれを引き継いで「G・F・Es・D」と繋げて、26小節目でトロンボーンが「C・Bb・A・G・F」と続ける圧倒的な効果。これがシエナの演奏からは聞こえて来ないんだよね・・・。この効果、「マタイ受難曲」の1曲目で、BassがEから1オクターブを超えてCに上りきる効果に比肩すると思ったり思わなかったり。

よく取り出すのはこれなのだが、廃盤。20年前の録音なのだけど、録音も演奏も素晴らしいと思っている。

吹奏楽オリジナル作品集 メキシコの祭り

比較対象として他のものも。

ホルスト:組曲第1&2番

ホルスト:組曲第1&2番

持っているCDとは異なるのだが、Amazonではこれしか見付からない。持っているものは、ピッチが微妙。回転数の問題な気がする。ガチャガチャした演奏だけど、味わいはある。

グレンジャー / リンカンシャーの花束

グレンジャー / リンカンシャーの花束

フレーズ感や、書いてある音の長さなどはかなり忠実だと思う。「?」という響きがする瞬間もあるのだが、学生の演奏だと思えば仕方ないかと。ところでこれ、ジャケットが大阪城なのだ。いくら大阪でのライヴとは言えそれはないんじゃないかと思う。

British Music for Concert Band

British Music for Concert Band

これ豪快です。軍楽隊という感じ。ロイヤル・エア・フォースの爆裂な演奏は好き。

以下の録音は、持っていると思っていたけど見付からない奴。

ホルスト:吹奏楽のための組曲第1番&第2番

ホルスト:吹奏楽のための組曲第1番&第2番

定番。

Holst Vaughan Williams British Wind Band Classics

Holst Vaughan Williams British Wind Band Classics

確か、これいい演奏だったと思う。

他にもいい録音があれば、ぜひ。