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釣谷真弓「おもしろ日本音楽史」

おもしろ日本音楽史
おもしろ日本音楽史
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釣谷真弓
東京堂出版
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これまで邦楽器の存在や歴史には関心の欠片も持たずにいたものだから、小泉文夫の対談集を読んだことから始まったクラシック音楽以外へ向いた衝動が凄まじい。その気持ちを、こういう本や「日本音楽の再発見 (平凡社ライブラリー)」を読むことで、逃がしたり、満足させたりしている。今日、読了。

腰を据えて邦楽器を知るにはきっと手軽過ぎる内容なのだと思うけれど、関心を持ち始めたばかりの私にとっては至極親切な本だった。著者自身が持つ邦楽器や日本音楽への情熱、それを迸らせながら書き進んでいるような雰囲気があるものだから、そんなに一所懸命に好きを語るなら連れていってもらおうかという気になってくる。雅楽、声明、能、箏曲、尺八、人形浄瑠璃、三味線、沖縄の三線、歌舞伎、そして現代も失われない宮城道雄の存在感。こんなに知らない音楽がまだまだある。そして知らないままで居ることの焦燥感が湧き上がってくる。

八橋検校の「六段」は音楽の授業で聴いたはずだ。が、担当を受け持っていた教師が邦楽に冷淡だったせいだと思うが、あまり踏み込んだ授業が行われなかったように思う。2002年度からは“中学校で「三学年間を通じて一種類以上の和楽器を用いること」と改訂学習指導要領案に定められた”とあるので、今はもっと意識的に取り組まれているものと思うが、実際のところは分からない。クラシック音楽一辺倒だった音楽教育の歪さは少しは改善されているのだろうか。

私の地元には長く歌い継がれている音頭がある。一年に一度の祭の時には耳にしていた。祖母などは祭の踊りの輪の中に入っていた。ああいった歌が、今の私に染み込んでいないことを勿体無いことだと思う。その反省を踏まえて、音楽に携わっていきたい。