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朝比奈隆/NHK交響楽団の2つのブルックナー

日曜日の深夜に放送していた朝比奈隆NHK交響楽団ブルックナーを録画しておいて、今日になってやっと見ている。

交響曲第9番は正直に言って、ボロボロな演奏でどうしようかと思った。冒頭の深い呼吸感に期待を抱かされた分、落胆も大きかった。休止の後の入りが不安定極まりないし、事故も少なくない。この遅いテンポ、朝比奈隆の指揮にそのままリーダーシップを任せてしまっているところに原因があるような気がする。朝比奈はアインザッツではなく音楽を指揮しているはずなのに、その音楽を受け取ろうとせず、どんどん後ろへ後ろへ音楽が置いていかれる。巨大な演奏をやっている雰囲気はあるので、それには酔わせられるが、そこまで。責任を朝比奈だけに取らせてしまうつもりなのか。

交響曲第4番では、第9番のズルズル感はなく、随分サクサクと音楽が進む。筋肉質で明確で。本当に第9番の演奏とは対照的だ。冒頭のホルンが惜しいが、セクションごとのまとまりが素敵で楽しめた。第9番よりも音楽自体に起伏があるからかな、安心して聴いていられる。テンポ変化もオーケストラ全体で自然に推移させている。オーソドックスで所謂ブルックナー的な演奏として完成度が高いと思えた。これを生で聴けた人はハッピーだったろうな。と思っていたら、ここでも配慮のないブラボーが出た。やめて欲しい。

と、何が違うって、コンサートマスターが違うのか。第9番は堀正文さんで、第4番では山口裕之さんだった。納得。

売ってるらしい。