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音楽が仕舞ってある場所

何年経っても治らない。ハチャトゥリャンのバレエ音楽スパルタクス」、特に「スパルタクスとフリーギアのアダージョ」を聴くと、気持ちが揺り起こされて腕には鳥肌が立ってしまう。いつも最初は冷静に聴いているのだ。聴いている演奏の良し悪しについて考えたりもする。けれど曲が進むうち、昔の思い出の一部と少しの後悔と憧憬のようなものを連れてきて、僕が「スパルタクス」に出会ってから今まで続いた時間の量を見せられて陶然としてしまい、僕の中の「スパルタクスとフリーギアのアダージョ」が大きくのたうつようになる。受け手であることを忘れる程に、僕の中の音楽が鳴る。音楽の不思議を感じる瞬間だ。

音楽は何も聴くものばかりではなくて、僕の中にずっとあるものもある。なかなか呼び覚まされないが確かにある。音楽を聴くということは、自分自身の中にある音楽を再発見し、それが仕舞ってある場所に「しるし」を付けることのように思う。音楽を聴く度に、その場所の広さや匂い、位置は変わっていく。僕の音楽は形を変え続ける。初めて出会う音楽は仕舞う場所探しから始まるから楽しめない時もあるだろう。人によっては仕舞わずに捨ててしまうかも知れない。けど僕は音楽を捨てまい。どんな音楽も可能な限り、僕の中に息づかせていきたい。

聴いていたのは、これだ。

Sparatacus / Gayaneh / Masquerada (Highlights)

Sparatacus / Gayaneh / Masquerada (Highlights)

トランペットがべらぼうに巧い。