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あさのあつこ「The MANZAI」と、僕の中学時代

The MANZAI 1 (ピュアフル文庫)

The MANZAI 1 (ピュアフル文庫)

読み終わった。この人の文章は読みやすいと思う。やはり、会話文のリズムがいいのだよな。稚拙な小説などで会話文が続くと、話している主体を見失うことがあるけど、この人の小説でそれは全く無い。ただ、登場人物の背景を説明的に出すことで、深みを出そうとしているきらいはあるかも知れない。主人公の歩の言動にしても、そういった過去を持っているから、と好意的に色々なことを読み取ろうとしてしまう。そういう技術なんだろうな。

僕は、中学生を描く話に弱い。僕は中学生の頃、指揮者になりたいと思っていた。音楽家になりたいと思っていた。バーンスタインが亡くなって、泣いた(歳がバレる)。僕は彼に会いたかったのだ。

思わず中学校の卒業アルバムを引っ張り出した。最後の余白部分に「あなたの豊かな才能が社会の役に立つことを願っています」と書いてあった。音楽の先生だ。「美しい音楽が一人では奏でられないように、人も一人では生きていけない」、これも別の音楽の先生が書いてくれた。僕は社会の役に立っているだろうか。僕は一人で悩んではいないだろうか。