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2016年の本(その1)

2016年の読書メーター
読んだ本の数:310冊
読んだページ数:62408ページ
ナイス数:1115ナイス


飛ぶ教室 (新潮文庫)飛ぶ教室 (新潮文庫)感想
「子どもの頃に読んでおきたかった」と思う作品は少なくないが、ケストナーの「飛ぶ教室」を読み終えた今も、同じように思う。男友達とのあれこれで困っていた中学時代の僕に教えてあげたい。マルティンのようなしっかり者でさえ、あんなに幼いのだから心配するな、と。ケストナーはこの作品以後に、ナチスから出版禁止処分を受け、何と焚書処分にも遭っているらしい。この本には、ナチスとは絶対的に相容れない自由な気風が充ちている。学校も捨てたもんじゃない。
読了日:3月3日 著者:エーリヒケストナー
ナショナルジオグラフィック日本版 2016年 02 月号 [雑誌]ナショナルジオグラフィック日本版 2016年 02 月号 [雑誌]感想
今回も読み応えのある特集ばかりでした。「動物の目の進化」は写真が怖い。「地下に眠るロンドン」はイラストが秀逸でジッと見た。「サウジアラビア 変わりゆく女性たち」も興味深い。年間購読したくなるー
読了日:3月1日 著者:
あと少し、もう少し (新潮文庫)あと少し、もう少し (新潮文庫)感想
読んだことのある瀬尾まいこの作品は、爽やかだけど救いの少ないものが多かった記憶がある。「幸福な食卓」などはつらいくらいだったから。だから、今回読んだ「あと少し、もう少し」がとてもまぶしく見える。影はあるのに前のめりの物語に酔いました。中学生の駅伝の話です。1区、2区ときて、物語の構成を理解して、それだけで感動してしまった。最後の6区まで止められない。この卒業シーズンに読んでおいて良かった。運動不足の僕は、少し走ってみたくなりました(嘘
読了日:3月1日 著者:瀬尾まいこ
河童が覗いたインド (新潮文庫)河童が覗いたインド (新潮文庫)感想
前の前の前の仕事場(^^;;で、インドの方と仕事をしたことがある。半導体技術者で日本語を流暢に操られる方でした。僕のインド体験はその程度。付け足しても他はズビン・メータか。この妹尾氏の本によって、「インド」って大きいなと痛感。知らないことが本当にたくさん。楽しみました。「インドという国を表現するのに、最も的確なエピソードであるかどうか」を妹尾氏は気にしている。その逡巡があるからか、この本には奥行きが出ていると感じます。本文は全て手書き。イラストも細密な筆致で圧倒されます。ヨーロッパ版も買おう読もう。
読了日:2月29日 著者:妹尾河童
阿片の中国史 (新潮新書)阿片の中国史 (新潮新書)感想
古書店で見つけて、参考文献に陳舜臣の「実録 アヘン戦争」が含まれているのを確認して思わず購入。「アヘン戦争」だけを描くのではなく、19世紀から20世紀の中国史を「阿片」で繋ぐ形の興味深い内容でした。20世紀に入ってからの日本は、中国でアヘン絡みで儲けている。岸信介関連の本にそんなことが書かれていた記憶があるので、再読しよう。欧米列強の仲間入りを進めていく明治政府を『「いじめられっ子」にならないためには、先に「いじめっ子」の仲間に入ることである』という文章で説明がしてある。頷かざるを得ない。
読了日:2月21日 著者:譚ろ美
靖国戦後秘史 A級戦犯を合祀した男 (角川ソフィア文庫)靖国戦後秘史 A級戦犯を合祀した男 (角川ソフィア文庫)感想
靖国神社宮司松平永芳についての取材記。彼がA級戦犯を合祀した。合祀するに至った彼の歴史認識には疑問。彼の認識の根拠となった平泉澄の「皇国史観」も紹介されている。農民史を否定する平泉の言葉(「豚に歴史がありますか。百姓に歴史がありますか」)は恐ろしい。松平と対比させて、A級戦犯を合祀しなかった宮司である筑波藤麿にも誌面が割かれる。この人物は、旧厚生省側(軍人出身者の多い部署)からの執拗な合祀要求を保留してきた。巻末には渡辺恒雄の「靖国論」。渡辺は、A級戦犯が合祀された靖国への首相の公式参拝を否定している。
読了日:2月17日 著者:毎日新聞「靖国」取材班
地中海沿岸の都市バルミ 紀元前4世紀から現代までの変遷史 (図説都市の歴史)地中海沿岸の都市バルミ 紀元前4世紀から現代までの変遷史 (図説都市の歴史)感想
ヨーロッパ史を学んでいて一番困るのが、生活空間の感覚がなかなか得られないこと。色々な時代の、都市と建造物。それらを資料集などで個別に確認することは出来ても、連続して変化して現代に繋がる実感を得ることは難しい。その実感を持てたとしても、人にそれを伝えるのは更に困難。でもこの本があれば解決ではないか。「地中海沿岸」という設定で、架空の町「バルミ」の紀元前4世紀から現代までの変遷が描かれる。楽しい楽しい!と一気に読んでしまった。「北海に面した港町」という設定でもう一つ出版されているらしい。これにも期待。
読了日:2月17日 著者:ハビエルエルナンデス,ピラールコメス,ジョルディバロンガ
勇気ってなんだろう (岩波ジュニア新書)勇気ってなんだろう (岩波ジュニア新書)感想
この本に出てくる人達は、巨大な国家や組織とは真逆の少数派の立場。それを「一人よがり」と言い切る無邪気なレビューが。少し怖いです。「一人では何も変わらない」と行動を諦めれば、彼らはいじめられもせず、友人を失うこともなく、後ろ指をさされることもなく、平穏に過ごせただろう。その平穏を捨てて茨の道に飛び込む気概を、勇気と言わずして何と言うのだろう。
読了日:2月17日 著者:江川紹子
勇気ってなんだろう (岩波ジュニア新書)勇気ってなんだろう (岩波ジュニア新書)感想
若者向けに書かれた本。野口健山本譲司蓮池透、仙波敏郎、高遠菜穂子、そしてイスラエルの人びと。彼らへの丁寧な取材を通して、それぞれの章が書き上げられている。虚栄心に惑わされず、間違いを認め、そもそもの主張を取り下げもし、同調圧力に流されず、自己の感覚に正直で居る。そんな「勇気」を持つ人達の、ある種の悲壮感に圧倒された。孤軍奮闘のこの人達を支える人が時折登場してホッとする。この本に登場するイスラエルの人びとは「戦争に協力しないなら、なぜこの国にいるんだ」という言葉に耐える勇気を持っていた。僕はどうだろう。
読了日:2月17日 著者:江川紹子
合本 AERAの1000冊 (AERAムック)合本 AERAの1000冊 (AERAムック)感想
面白かった。この値段で、1,000冊という数の本・マンガを紹介しきった編集者の熱意に脱帽。寄稿者・インタビューも充実。鈴木敏夫竹内薫佐藤優、武田砂鉄、高村薫赤江珠緒堀江貴文姜尚中など50名を超える。「朝日」というだけで敬遠していると、勿体無いことになりますよ! 読みたい本がまた増えた。
読了日:2月17日 著者:
国の死に方 (新潮新書)国の死に方 (新潮新書)感想
ちょうど3年前に読み、その後「未完のファシズム」を読み終えて、今回の再読。久々に目を通すと、軽やかな文体で、話し言葉のような表現が滔々と続くのが少し物足りない感じ。それでも何かを考えさせる効果は抜群。随分前に片山氏とは話をしたことがあり、当時はその博覧強記ぶりに圧倒された。そのせいか、この本からも、文章以上の奥行きを受け取ってしまう。軽くない内容ですが、愉快な本です。
読了日:2月16日 著者:片山杜秀
昭和元禄落語心中(9) (KCx)昭和元禄落語心中(9) (KCx)感想
何と、あと一巻で完結とのこと。次が出るのは夏。随分先。八雲師匠の人間くささが出ててホッとした巻だった。落語を聞くようになったきっかけは北村薫の円紫さんシリーズ。噺家に関心を持つようになったのはこの漫画だ。アニメ化しているそうだ。助六の声を山寺宏一がやっているとある。見たい。
読了日:2月15日 著者:雲田はるこ
みつあみの神様みつあみの神様感想
今日マチ子のような作家が居て、彼女の作品を出そうという出版社があって、手に取れる環境がある。これ、ヴィレヴァンで買いました。なので、若者がふとした拍子に手に取ることになるかも知れない。少し世の中に安心できました。折角なので、立ち読みできるようにして欲しい。この物語が何処を舞台にして、何を示唆しているのか。途中でそれに気付いた時の驚きとため息。その気付いた状態での終盤の苦しさ。優しい絵です。けど大きく、残酷な作品です。
読了日:2月13日 著者:今日マチ子
日本の作曲家たち〈下〉―戦後から真の戦後的な未来へ (1979年)日本の作曲家たち〈下〉―戦後から真の戦後的な未来へ (1979年)感想
秋山邦晴の書いた「日本の作曲家」で近藤譲が紹介されたのは、近藤が幾つの時だったのか知りたくて再読。近藤25歳の時だった。これは、近藤が早熟なのか、秋山邦晴の目が深いのか、どちらなのだろう。秋山と近藤には、どんな遣り取りがあったのだろう。
読了日:2月12日 著者:秋山邦晴
項羽と劉邦 10 (希望コミックス カジュアルワイド)項羽と劉邦 10 (希望コミックス カジュアルワイド)感想
完結。項羽は死んだ。司馬遼太郎の「項羽と劉邦」を読んだ時は、項羽には嫌悪感しか抱かなかったのに、今は、少し同情の念が湧き起こっている。このマンガの中の劉邦の感情の影響を受けているのだろう。韓信を軽んじ、范増を追い払い、数々の殺戮を繰り返した項羽に、僕は同情したくないのに。この物語の人物達を、歴史として見るのは難しい。宮城谷昌光の「劉邦」を読もうと決めた。
読了日:2月11日 著者:横山光輝
北村薫の創作表現講義―あなたを読む、わたしを書く (新潮選書)北村薫の創作表現講義―あなたを読む、わたしを書く (新潮選書)感想
北村薫早稲田大学で行なった2年間の特別講義の様子。北村薫の一人語り。歌人や編集者へのインタビュー。学生への課題にそれへの返し。何度も美味しい場面があって、今まで放置してごめんなさいの気分です。インタビューされた編集者の「日本の政治や社会を変えるのは文芸しか残ってないんじゃないか」という言葉や、京極夏彦の「姑獲鳥の夏」が持ち込まれた時の様子などにハッとする。最後に登場の、本の探偵・赤木かん子の幼き日の思い出話にはドキッとする。
読了日:2月11日 著者:北村薫
項羽と劉邦 9 斉王韓信 (希望コミックス カジュアルワイド)項羽と劉邦 9 斉王韓信 (希望コミックス カジュアルワイド)感想
韓信が斉王に。項羽と向き合っている時の韓信は頼もしいが、劉邦との遣り取りの場面では不安になる。心情の揺れ動きが激しい。
読了日:2月10日 著者:横山光輝
素数表150000個素数表150000個感想
持ってるだけで楽しい。1ページしか読んでません。
読了日:2月10日 著者:真実のみを記述する会
実録アヘン戦争 (中公文庫)実録アヘン戦争 (中公文庫)感想
戦争開始の経過や、その後の清の惨状を見ると、やりきれなさが半端なく残る。著者・陳舜臣は「不義の戦い」と言い切る。林則徐の政策提示から開戦に至る部分を読み進めれば、イギリス本国がイギリス経済への打撃を避けることを狙っていることが分かる。鎖国を解くためとか、中華思想に異議を唱えるためとか、そんな大仰なものではない。投棄されたアヘンの代金回収。これに尽きる戦争が、きちんと「アヘン戦争」と呼ばれていることに安心する。経済主導の政策の禍々しさを考えたい。著者は林則徐のファンなのだな。僕もファンになりました。
読了日:2月10日 著者:陳舜臣
戦争の日本近現代史 (講談社現代新書)戦争の日本近現代史 (講談社現代新書)感想
日露戦争第一次世界大戦について書かれた「第六講」「第七講」に感銘を受けた。特に、第一次大戦での日本の立ち位置を理解する上では、この本から多くの情報を貰ったように思う。アメリカの国際連盟への非加入、その背景にあったものについては目から鱗であった。この時代に既に日本は、他国から軽く見られることに憤慨していたのだな。あたかも簡単にけしかけられるマーティ・マクフライ。国家に記憶があるのなら、必ず学習し、繰り返さないようにしたい。2002年の発売の本とは思えない程のタイムリーで冷静な論考、おすすめです。
読了日:2月9日 著者:加藤陽子
中野のお父さん中野のお父さん感想
2015年に出ていた北村薫の短編集。一応、ミステリ、かな? 女性文芸編集者と、その父が登場する。ほんわかした話から、文学話、人間の暗闇を垣間見せる話まで、多岐に渡る。円本の話が怖かった。主人公の父の設定は、北村薫そのままじゃないか(笑
読了日:2月8日 著者:北村薫
聴く人(homo audiens)──音楽の解釈をめぐって聴く人(homo audiens)──音楽の解釈をめぐって感想
近藤譲管弦楽曲「林にて」や、フルートとピアノのための「歩く」を聴いてみて欲しいです。肩の力を抜くことを全身全霊でやっているような、不思議な感慨の残る作品で、初めて聴いた時には打ちのめされました。どんな人が、どんな精神状態でこんな音楽を書くのか知りたくて読み進めるも、人となりは分からない。創作の秘密が保持されて良かったのかも。それでも、これらの音楽は、何らかの主張と思考で書かれたようだ。それを感じ取った上で、また聴き直してみます。
読了日:2月7日 著者:近藤譲
知の編集術 (講談社現代新書)知の編集術 (講談社現代新書)感想
考え方を考える契機になった。一人で考えずに、誰かとの会話や、誰かとの共同作業を志向していこう。「編集は遊びから生まれる」の章が面白い。
読了日:2月7日 著者:松岡正剛
地名の世界地図 (文春新書)地名の世界地図 (文春新書)感想
この本は辞書のように使って遊んで読んでます。今、パッとめくって、フェニキア人はエーゲ海の西をereb、東をassuと呼ぶようになり、東がアジアの語源となる部分。ここだけで、もう十分に楽しい。「東アジア」は「東東」ですか。
読了日:2月7日 著者:21世紀研究会
大相撲名力士風雲録2大相撲名力士風雲録2感想
僕にとっての横綱はやっぱり千代の富士! ライバル達も見事な顔ぶれ。旭富士大乃国朝潮若嶋津北天佑! 45の取り組み映像見てスッキリしました。千代の富士の引退は35歳の時だったのか、、、
読了日:2月5日 著者:
美味しんぼ 驚きのテイスト!知られざる珍味 (My First Big)美味しんぼ 驚きのテイスト!知られざる珍味 (My First Big)感想
栗田さんは、初期の頃の絵がいいですね。ホヤや海鼠を食べたい。
読了日:2月5日 著者:雁屋哲
日本国憲法を生んだ密室の九日間 (角川ソフィア文庫)日本国憲法を生んだ密室の九日間 (角川ソフィア文庫)感想
GHQ民政局が日本国憲法の草案を手がけたことは知っていたが、この本を読んで、彼らの討議や情報収集の過程を把握できたのは嬉しい。民政局が評価した日本人の手による憲法草案は二つ。「憲法研究会」が1945年12月に発表したものと、尾崎行雄の「憲法懇談会案」。また確認したい。英語で書かれた民政局の草案が日本政府に渡され、明治憲法や日本政府の草案との比較検討を経て、日本語に訳された。この日本側作業の過程で、民政局案にあった「国民主権」の表現が削除されていたという。当時の政治家の感覚の後進性を証明するエピソードだ。
読了日:2月4日 著者:鈴木昭典
安倍晋三 沈黙の仮面: その血脈と生い立ちの秘密安倍晋三 沈黙の仮面: その血脈と生い立ちの秘密感想
これは安倍晋三の人格理解よりも、その父・安倍晋太郎の政治家としての気骨がよく分かる良書。著者は晋太郎の番記者を務めていた人物なので、持ち上げ気味なのかも知れないが。晋太郎には特攻部隊に所属していた経歴があるそうだ。もし晋太郎が首相になり、晋三の前で政治家の何たるかを伝えられたら、現代の政局もまた違っていたのかも知れない。また晋三の祖父にあたる安倍寛、彼は戦前に戦争遂行の政策に反対した人物。大政翼賛会の公認を取り消されながらも戦争反対を唱え当選する。この人物をもう少し調べてみたくなった。
読了日:2月3日 著者:野上忠興
アルスラーン戦記(4) (講談社コミックス)アルスラーン戦記(4) (講談社コミックス)感想
「他人にも大切なものがあるということ」という至極当然のことを描くのだが、他人の痛みも喜びも、感じ取るのは至難の業であることを考えさせられる。そんな巻だった。一つの選択が、全ての人に喜びを与えるわけではない。一つの選択が、全ての人の痛みを癒せるわけではない。国家が実行することは万能ではない。その実態を受け入れられるかどうかが、為政者の徳の多寡の分かれ道なのだと思う。アルスラーンの迷いは好感が持てる。
読了日:2月2日 著者:荒川弘
ちいさいモモちゃん (講談社文庫)ちいさいモモちゃん (講談社文庫)感想
読み始めたら、本を娘に奪われ、読み終わりも先を越されたので、意地になって読んだ。「モモちゃんとプー」の「クレヨン ドドーン」が怖い。泣いてしまいそうになった。「テレビちゃん、そんなにせんそうばかりしていると、ばかになっちゃうよ!ちっとはご本よんでべんきょうしないと!」
読了日:2月1日 著者:松谷みよ子
アルスラーン戦記(3) (講談社コミックス)アルスラーン戦記(3) (講談社コミックス)感想
後継者争いと宗教戦争は、いつの時代にも尽きないもの。いや、そろそろ人間も学習できたらいいものを…。3代、4代に渡るような世襲政治家が存在する世の中では難しそうです。
読了日:2月1日 著者:荒川弘
アルスラーン戦記(2) (講談社コミックス)アルスラーン戦記(2) (講談社コミックス)感想
ナルサスダリューンの遣り取りに軽やかな心地よさを感じていたのに、すぐ戦場の描写達。物語の先が気になるが、夥しい死の描写がつらい。絵の力は恐ろしい。ルシタニアの王の名前が出てきて、僕らの生きる現実世界の何を下敷きにしているか確認できた。
読了日:2月1日 著者:荒川弘
アルスラーン戦記(1) (講談社コミックス)アルスラーン戦記(1) (講談社コミックス)感想
読んでみたいと思っていた「アルスラーン戦記」をやっと手に取る。田中芳樹を読んだことがないが、友人知人には氏の作品に心酔している人が何人か居て、僕の中では存在感だけが膨らんでいた感じ。原作はかなり前のもの。谷村有美の「ときめきをBelieve」が主題歌だった筈。1巻から血の流れる様子が多過ぎて、しんどい。宗教の話、民族の話、言語の話。現代の世界の乱れと何も変わらない。
読了日:2月1日 著者:荒川弘
何のために「学ぶ」のか:〈中学生からの大学講義〉1 (ちくまプリマー新書)何のために「学ぶ」のか:〈中学生からの大学講義〉1 (ちくまプリマー新書)感想
本川達雄「生物学を学ぶ意味」が記憶に残る。この手の本は、普段なかなか出会うことのない書き手と遭遇できるからいい。茂木健一郎白洲次郎のエピソードを紹介している。民政局長ホイットニーに「英語うまいですね」と言われ、「努力すれば私のようになれますよ」と言い返した場面。これは、アメリカ英語のホイットニーを、イギリス英語の白洲が皮肉った場面であって、茂木氏の解釈のような「正しいと思ったことを主張」とはニュアンスが違うのではないか。茂木氏に良くあるこういう急いだ解釈傾向、実は嫌いではない(笑
読了日:1月30日 著者:外山滋比古,前田英樹,今福龍太,茂木健一郎,本川達雄,小林康夫,鷲田清一
読書の技法 誰でも本物の知識が身につく熟読術・速読術「超」入門読書の技法 誰でも本物の知識が身につく熟読術・速読術「超」入門感想
第1章〜第3章までが僕には面白い。すぐ影響されて速読挑戦中。第5章からの第?部は、著者の他の書籍でも確認済みのトーン。最近、本関係の本を読む期間になってきています。
読了日:1月30日 著者:佐藤優
出版社社長兼編集者兼作家の 購書術: 本には買い方があった! (小学館新書)出版社社長兼編集者兼作家の 購書術: 本には買い方があった! (小学館新書)感想
本を買い過ぎる癖があるので、抑制のために反面教師的に読んでみました。街の本屋に行ってみたくなったので、逆効果かな。「本の整理・処分術」は今ひとつの内容。
読了日:1月30日 著者:中川右介
居酒屋ぼったくり居酒屋ぼったくり感想
楽しく読了。行きつけの居酒屋を持つ生活って、どんなだろう? 仕事とは違う出会いが生まれるのかな。思いもかけない会話が始まるのかな。まずは、一人で飲みに行く決意が要りますね。長男長女なら、美音の頑固さには共感できるかも。続編もあるらしい。
読了日:1月30日 著者:秋川滝美
とめはねっ! かなの書―鈴里高校書道部 (My first big special)とめはねっ! かなの書―鈴里高校書道部 (My first big special)感想
コンビニに売ってる「とめはねっ!」を買い、読み進めています。ストーリーは、もう年度末まで来た。大阪で働いていたことがあるので、天王寺での展示、梅田での表彰の場面が面白い。この物語の舞台・鎌倉に土地勘があれば、もっと楽しめるのだろうなという気になる。行きたい鎌倉。それから、規模の小さな部活の話は愉快。
読了日:1月26日 著者:河合克敏
学校では教えてくれない 人生を変える音楽 (14歳の世渡り術)学校では教えてくれない 人生を変える音楽 (14歳の世渡り術)感想
自宅近くの図書館で「今日マチ子」を検索して行き着いた本。僕は音楽を聴き過ぎて、音楽をやり過ぎて、どの音楽が人生を変えたのか、どんな音楽が自分に残っているか良く分からない。その点では、今この時という感じで曲を選んだ宮下奈都の文章に共感した。AppleMusicと契約していて良かった。スティーライ・スパンとルー・リードをすぐ聴けたから。
読了日:1月25日 著者:角田光代,池辺晋一郎,又吉直樹,雨宮処凛,池谷裕二,浦沢直樹,遠藤秀紀,大崎善生,乙武洋匡,今日マチ子,清塚信也,小手鞠るい,近藤良平,桜井進,柴田元幸,小路幸也,辛酸なめ子,高嶋ちさ子,西研,林丹丹,町田康,松井咲子,みうらじゅん,宮下奈都,本川達雄,山田ズーニー
クシュラの奇跡―140冊の絵本との日々クシュラの奇跡―140冊の絵本との日々感想
この本の存在をどう知ったのか忘れてしまった。本との出会いは偶然と運命。染色体異常を原因とした障害や疾患を持って生まれたクシュラ。この本は障害・疾患に立ち向かう記録であるし、成長の周りで支えとなった絵本の紹介でもあるし、家族の愛情の深さを知る書でもある。クシュラが出会った絵本は、彼女を愛し守る人たちが用意したもの。偶然も運命も作れる。たくさんの人に知ってほしい本です。
読了日:1月24日 著者:ドロシー・バトラー,百々佑利子,DorothyButler
夢の守り人 (新潮文庫)夢の守り人 (新潮文庫)感想
上橋菜穂子の「守り人シリーズ」の3つ目。一つ前の「闇の守り人」を読んでから間があいていて、登場する人物の多くを忘れていたが、段々と自然に動き出してくれて思い出した。「夢」とある分、精神世界での駆け引きが多い。生きながら夢の中に耽溺してしまう人も居るだろう。別の人生に思いを馳せて傷つく人も居るだろう。これはファンタジーに場を借りた現代の話です。
読了日:1月23日 著者:上橋菜穂子
「BC級裁判」を読む「BC級裁判」を読む感想
疲れている時には読まない方がいい。苦しくなる。日本の軍の被害に遭った方々を悼む。暴力自体を目的とした組織である軍隊で、暴力的な精神構造を無縁にすることなど土台無理な話なのだ。図書館で借りたのだが、手元に置いて折に触れて調べたり読み返したりしたい。文庫化されているようだ。
読了日:1月21日 著者:半藤一利,保阪正康,秦郁彦,井上亮
マギ 28 (少年サンデーコミックス)マギ 28 (少年サンデーコミックス)感想
近頃、シンドバッドの美しすぎる言葉に怪しさを感じていたので、かえってスッキリした。完全にユーラシア大陸の歴史物語ですな。高校世界史を一通り勉強するよりも、このファンタジーを一気に読むほうが、未来のためには即効性がある。
読了日:1月21日 著者:大高忍
孤独のグルメ2孤独のグルメ2感想
私的なことを書くと、土曜出勤で昼まで仕事だったりした時の自分を思い出した(笑 。どこで何を食べるかを考えながら車を運転するのは、とても愉快。誰かと一緒だと「早く決めないと!」と焦ってしまうだろうから、孤独が気楽。孤独は寂しさとは別物。前の職場近くの食堂では、袋入りのインスタントラーメン作ってくれたことを唐突に思い出した。また行ってみよう。
読了日:1月19日 著者:久住昌之
新編 子どもの図書館〈石井桃子コレクションIII〉 (岩波現代文庫)新編 子どもの図書館〈石井桃子コレクションIII〉 (岩波現代文庫)感想
著者・石井桃子が自宅に開いた図書館「かつら文庫」。開設に向けたあれこれ、そこを訪れた子どもの様子が面白い。著者の子どもの本の選び方や、各国の子ども向け図書館の情況も興味をかきたてられた。アメリカの図書館運営が意外に先進的で、感心。子どもと接する時に、思い出したい場面や言葉がこの本にはたくさんある。
読了日:1月19日 著者:石井桃子
天は人の上に人をつくらず (小さな学問の書 (3))天は人の上に人をつくらず (小さな学問の書 (3))感想
安野光雅に、ここまで情熱的に語った書があったとは知らなかった。リンカーン福沢諭吉キング牧師の言葉を引きつつ、滔々と真摯な言葉が続く。氏の文をこれからも探して読みたくなった。ところで、慶應義塾の卒業生にお願いしたい。一万円札な福翁にだけ目を向けるのではなく、「人間の権利」について思索した福翁をもっと世に知らしめていただきたい。
読了日:1月19日 著者:安野光雅
日本全国近代歴史遺産を歩く 講談社+α新書日本全国近代歴史遺産を歩く 講談社+α新書感想
僕の近代建築の楽しみの範囲は、京都と大阪に限られていた(住んでいたし、働いていたから)のだけど、著者が活き活きと描く第1章に、楽しみの範囲を日本全国に広げられてしまった。長野の読書発電所、高知の旭浄水場、大分の白水堰堤。遠いところばかりに目が行く。第3章・第4章は都市ごとにまとめられた近代建築。名古屋と神戸を次に攻めようか。
読了日:1月18日 著者:阿曽村孝雄
孤独のグルメ (扶桑社文庫)孤独のグルメ (扶桑社文庫)感想
よく分かる。一人でご飯食べるの、楽しい。一人で焼肉に行ったことはないが、機会があれば行ってみたい。
読了日:1月17日 著者:久住昌之,谷口ジロー
NHK大河ドラマ歴史ハンドブック 真田丸 (NHKシリーズ)NHK大河ドラマ歴史ハンドブック 真田丸 (NHKシリーズ)感想
万城目学が冒頭に登場していて、それだけで買ってしまったが、衝動的に買ったにしては面白く読めた。真田松代藩の子孫(慶應大の教員)のインタビュー、大河ドラマ時代考証を担当する方々の座談会など、読みごたえがある企画が多い。真田に所縁のある所に行きたくなった。今度大阪に行った時には、万城目さんが歩いた所に足を運んでみよう。
読了日:1月16日 著者:
雪と珊瑚と (角川文庫)雪と珊瑚と (角川文庫)感想
梨木香歩の物語の中で、これほどトントンと進んでいくものがあっただろうか。これまでの梨木さんの物語にもあった重厚さは時折登場するが、大半は珊瑚の奮闘記。楽しく幸せで、考えさせられる物語で、買って放置していたのを後悔。男性が父親になるのは簡単ではないけど、女性にも母親に向かう気持ちの整え方があるのだなと想像できた。同じ作家を読み続ける楽しみを、梨木さんからも貰っています。
読了日:1月16日 著者:梨木香歩
永続敗戦論――戦後日本の核心 (atプラス叢書04)永続敗戦論――戦後日本の核心 (atプラス叢書04)感想
著者の主張が集約されている第三章が熱い。悲しみをもって太平洋戦争の犠牲について言及した174ページが山。「近衛上奏文」は実に腹立たしい。日本の支配層は、対米戦争には敗北したが、革命に対する華々しい勝利を得たという解釈も分かりやすい。明治政府の整えた大衆向けの「顕教」的部分と、政治組織としての「密教」的部分のバランス崩壊の説明も納得。片山杜秀の「国の死に方」を読んでおいて良かった。論考に付け加えるなら西園寺公望の死去(1940年)が大きな転換だったのでは。
読了日:1月13日 著者:白井聡
神社 (日本史小百科)神社 (日本史小百科)感想
冒頭で、神社の建物、祭神・神職・祭祀などがコンパクトに説明されており使いやすい。「鳥居の様式」は図でも示されていてありがたい。巻末には「官国幣社一覧」と索引もある。初版が昭和52年で、今手元にあるのは平成5年版。息の長い書籍だ。著者は皇學館や神社本庁に関わりのある方だが、それらに肩入れするわけでもなく、バランスのとれた記述と感じた。
読了日:1月12日 著者:岡田米夫
あたらしい憲法のはなし (小さな学問の書 (2))あたらしい憲法のはなし (小さな学問の書 (2))感想
再読。日本国憲法が施行された1947年の夏から、中学校の教科書として使われていたもの。発行は文部省。中学生相手ということもあって、読みやすい。1952年の4月からは姿を消したとある。サンフランシスコ平和条約の効力が発生し、占領が終わったタイミングが同じ1952年の4月。露骨だね。
読了日:1月9日 著者:童話屋編集部
三重のスロー食堂〈2〉 (PASTONAGI)三重のスロー食堂〈2〉 (PASTONAGI)感想
行きたい店が増えて困る! 特にパン屋さん気になる。
読了日:1月8日 著者:
イスラム教入門 (岩波新書)イスラム教入門 (岩波新書)感想
イスラム教」に関連するニュースや事項について何かを知って、それを後から確認するためにとても便利な内容と感じた本。特に歴史、実践、分派の部分については丁寧に整理されており読みやすい。面白かったのは日本との関わりを説明する部分。足利義満の時代の京都にヒシリという名前を持つアラビア人が住んでいたそうだ。新鮮に驚いた。中国(明)から連れてこられたらしい。
読了日:1月6日 著者:中村広治郎
日本近代建築大全<西日本篇>日本近代建築大全<西日本篇>感想
この手の本では図抜けて面白い! 写真も説明も豊富。三重県にある近代建築にも足を運ぶ気になってきた。竣工年が西暦で書かれていないのが残念かな。
読了日:1月5日 著者:
リップヴァンウィンクルの花嫁リップヴァンウィンクルの花嫁感想
岩井俊二の映画は、高校の時の友人の影響もあってずっと観ている(「リリイ・シュシュのすべて」以外)が、原作を先に読むのは初めての体験。主人公の不幸過ぎる展開に苦しくなり、読み始めたことを半ば後悔しつつ、更には、救いのないまま終わりそうで慌てました。早く映画館で観たいです。
読了日:1月5日 著者:岩井俊二
歴史の話 (朝日選書)歴史の話 (朝日選書)感想
印象に残ったのは網野の『沖縄に行って歴史の話をするとき、「日本」という言葉を軽々しく使えないのです』という言葉と、鶴見の「自分の暮らしは国家の枠をこえる」という言葉。また、ペリー来航の1853年以後と、日本の敗戦の1945年以後に、何年も続く制度改革が始まったとある。1853年以後の制度の破綻が五・一五事件とすると、1945年以後の制度の破綻は79年後の2024年。注意して過ごしたい。
読了日:1月4日 著者:網野善彦,鶴見俊輔
美味しんぼ 海外編(2) ベトナム・タイ・スリランカ・インド: マイファーストビッグ美味しんぼ 海外編(2) ベトナム・タイ・スリランカ・インド: マイファーストビッグ感想
美味しんぼ」の海外シリーズは楽しい。それぞれの地域に、尊重される調理法や食材がある。
読了日:1月4日 著者:
点子ちゃんとアントン (岩波少年文庫)点子ちゃんとアントン (岩波少年文庫)感想
小学生の時に読んで以来。当時は抜粋版のような分量の本でした。今回はフル。アントンの語りで物語が進む記憶でしたが、違いました。各章の後に置かれる「立ち止まって考えたこと」という作者のエッセイが面白い。今の子どもたちが、今の大人たちより、「きちんとした人(※本文での表現です)」になれるように手助けをしていきたい。過ごしやすい世界が訪れますように。他のケストナー作品も読もう。
読了日:1月2日 著者:エーリヒケストナー
帰化人--古代の政治・経済・文化を語る (講談社学術文庫)帰化人--古代の政治・経済・文化を語る (講談社学術文庫)感想
読了。「われわれの祖先が帰化人を同化したというような言い方がよく行われるけれども、そうではなくて、帰化人はわれわれの祖先なのである」という言葉、これを立証していこうとする流れに圧倒された。律令国家建設期で、かつ唐との国交断絶期だった時代、大きな役割を演じたのが大陸からの帰化人だった。異国の地に住み、異国に多大なる貢献を残した帰化人たちは、「日本人」なのだ。索引がありがたい。
読了日:1月2日 著者:関晃
封印された日本の離島封印された日本の離島感想
様々な島々の特徴を4つの章に分けて紹介。九州・沖縄が多い。沖縄の島々は過酷なエピソードが少なくなくて疲れた。三重県の島が出てこないのが寂しい。
読了日:1月1日 著者:歴史ミステリー研究会
小さなトロールと大きな洪水 (講談社文庫)小さなトロールと大きな洪水 (講談社文庫)感想
2016年の初読みはムーミンムーミン童話の第1作にあたるものです。トーベ・ヤンソンフィンランドの作家なのでフィンランド語が母語かと思いきや、解説によれば、スウェーデン語系のヤンソンスウェーデン語で作品を書くとのこと。第二次大戦後すぐに出版されたこの作品、素直な感情表現が微笑ましい。嬉しそうだったり、不機嫌になったり。他者への優しさもある。異なる生き物同士の交感もある。コウノトリ、いいなあ。
読了日:1月1日 著者:トーベ・ヤンソン

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