小泉文夫「音のなかの文化―対談集」
以前、古書店で手に入れた小泉文夫の対談集を読み進めているところ。
小泉文夫著作選集(5) 音のなかの文化 (小泉文夫著作選集)posted with amazlet at 10.03.15
小泉文夫著作選集(5) 音のなかの文化 (小泉文夫著作選集)
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「小泉文夫」という名前は知っていても、氏の著作に接するのは初めて。
対談集ということで、話す相手ごとにテーマがどんどんと入れ替わっていって面白い。対談の相手は下記のような面々。
各所で小泉文夫が言っているのは「音楽はコミュニケーションだ」ということ。今でこそよく聞かれるフレーズだけれども、今から20年以上前に亡くなっている小泉氏が言葉にしていた頃は、まだまだ新鮮に響いたのではないかと思う。
小泉氏の言葉で特に印象的な部分をメモ。
演劇でも音楽でも、切符を買ってステージを見るというあのシステムは、資本主義から出てきたものですね。つまりお客さんには平等の角度で、平等の距離で、同じものを提供しなきゃならない。お客さん自身は逆に、いびきをかいても騒いでもいけない。ほかの人に迷惑になるから。その条件づくりが資本主義の演劇や音楽会にどうしても必要だ。これが本来の人間的コミュニケーションとしてのパフォーマンスをダメにしちゃった、大きな理由だと思うんですね。