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小倉朗「北風と太陽」

北風と太陽―自伝 (1974年)
小倉朗
新潮社
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先日読了。

小倉朗はいわゆる「現代音楽」の作曲家だ。だが小倉の創作姿勢に関することは、終盤に多くの自作を破棄したこと以外にはそれほど語られない。彼の交友関係であるとか、太平洋戦争中の実録としての史料価値は高いと思いながら読み進めていた。「パロディ的な4楽章」が有名な作曲家・深井史郎の人柄が伝わってくる箇所、戦争で命を落とす尾崎宗吉をはじめとする若い作曲家たちとの遣り取り、諸井三郎が長い沈黙をしている理由など。読んでいて思わず身を乗り出してしまうような興味深い部分は少なくなかった。小学生時代の高橋悠治の天才ぶりなども紹介されている。機会があれば一読をおすすめしたい。古書でしか手に入らないようだが・・・。

で、小倉朗の作品を聴きたいと思っても、全てのCDがほぼ廃盤という状況。1980年代までは旺盛に創作をしているはずなので、もう少しあっても良いと思うのだが・・・。今手元にあるのは「フォンテック・サンプラー 日本の作曲家21」で聴ける「交響組曲 イ短調 第1楽章」からの抜粋のみ。せめて下記の2盤だけでも復刻して欲しい。

管弦楽選集
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交響楽団
フォンテック (1991-01-25)
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