マーク・トウェイン「アダムとイヴの日記」
今年はマーク・トウェインの没後100年らしいが、少しは盛り上がっているのだろうか。
彼の作品で読んだことがあるのは「アダムとイヴの日記」だけだ。
この作品を知ったきっかけは北村薫の本なのだが、それが何の本だったのか、記憶がすっぽりと抜け落ちてしまっている。「謎のギャラリー」のどれかか、小説の中の登場人物の発言か・・・。
何にせよ、初めて読んだ時の最後の一行は凄まじかった。この小説は「アダムの日記」の部分と「イヴの日記」の部分に分かれている。日本語Wikipediaの記述では1904年に出版されたことになっているが、その時に出版されたのは「アダムの日記」だけであり、後から構想された「イヴの日記」と一緒に収録されるのは1906年のことだ。そして「アダムの日記」が発表されてから、マーク・トウェインが「イヴの日記」を書き始めるまでの間に彼は妻を亡くしている。それを知った後に再読しての最後の一行の、衝撃は凄まじかった。発表された順序から考えれば、再読した時の衝撃がきっと正しいはずなのではないか。
この作品一つの存在だけでも、僕にとってマーク・トウェインは大切な作家。原文も読んでみたい。もちろん他の作品も読んでみたい。