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小出稚子「ケセランパサラン」をまた聴けた

題名のない音楽会」で、小出稚子「ケセランパサラン」の演奏が放送されていた。丁度1年前くらいに芥川作曲賞の選考の様子をラジオで聴いて(http://d.hatena.ne.jp/hrkntr/20071007/p2)以来だ。また聴けてよかった。どういう奏法を演奏者に求めていたのかを見ることができたし。作曲家が書いているもの自体への真っ直ぐな「好き」があれば、大抵の現代の音楽は受け入れられると思えた。最近の作曲家、某・望○○とか、某・江○哲○とかが、作品の背景の説明をしたりする様を見たことがある。彼らからは、書かざるを得なかったという切迫感は伝わってきても、本当に好きで書いてるのか疑問を抱かせるような印象しか受けなかった。それと比べた小出の、やりたいことをやり切っていく姿勢は分かりやすく、微笑ましかった。

題名のない音楽会|テレビ朝日

(解説:小出稚子)
ケセランパサランが本当のところ一体何なのか?― それは誰も知りません。ただ、巷では「白いフワフワした毛でできている生物」であるとされ、「持っていると幸せになる」「笑いながら飛んでくる」「桐の箱に入れておしろいを食べさせると増殖する」などと言い伝えられています。
以前からその存在は知っていましたが、一昨年の夏休みに行った東北地方の博物館にてケセランパサランを偶然にもこの目でみることができました。(博物館なのできっとあれは死骸ですね・・・)ちなみに名前の語源は「なんだろう?何が起こるんだろう?」という意味のスペイン語「QUE SERAN PASARAN」だという説があるのですが、この説は非常にワクワク感があり素敵ですよね。
さて、この作品の中で私がやりたかったことは、1.規則性を持って流れていくものと、規則的な流れの中に在りながらもある程度自由に動けるものを共存させること。 2.オーケストラという編成上の特性を活かした視覚的、聴覚的な仕掛けを随所に散りばめ、それによって立体的な音響空間を作り出すこと。 3.いくつかの異なった性格をもったブロックが乱立しながらも、それらが相互に有機的な繋がりをもつこと。 の3点です。
またこれらを音楽を形成する要素として具体化していく際に、音色やリズムの変化によって発生する微妙な空気の色合いにアンテナを張り、その合間合間に遊び心とユーモアを忍ばせることにしました。
この作品は私の書いた初めてのオーケストラ作品です。高校時代オーケストラ部に所属していたこともあり、常々オーケストラという編成には他の様々な編成にはない、独特の生活感と親近感を感じていました。たくさんの遊びなれた遊具がある近所の公園のようなイメージです。
その公園に作曲家という立場で改めて入ってみると、以前から密かに感じてきた「これをこうしたら絶対おもしろいだろうな」「あれをこうしたらどんな音がなるんだろう?」といった願望や好奇心を、実際に作品の中に実現させてみたくなり、自分で自分の妄想にどきどきしながら書き進めていきました。

Wikipediaでの掲載内容を読んでみたら、池辺晋一郎の弟子なのか。池辺はどんな作曲の講義をするのだろう。