シフを聴き、協奏曲の面白さを聴く
今日も「PIANO Masterworks」だ。ついにアンドラーシュ・シフが弾くチャイコフスキー「ピアノ協奏曲第1番」を再生装置に入れる。シフがどんなチャイコフスキーを弾くのか気になったことが「PIANO Masterworks」を買った理由の一つでもあり、今日聴き始めるにあたってもシフ以外のことは考えていなかった。
なのに音楽が始まると、バックを務めるショルティとシカゴ交響楽団、彼らの怒涛の進撃に耳を奪われてばかり。本当にこの指揮者は大きな音が好きなんだな! このシカゴの響きだと、ピアノが時折ハープのように聞こえるくらいだ。シカゴ響の攻撃的で明晰な音の立ち上がりに、何度も何度も打ちのめされ、そのうちに嬉しくなってきた。楽し過ぎる!
このオーケストラとシフのピアノは合わないんじゃないかと訝しがりながらも聴き続ける。曖昧な響きを嫌ってるとしか思えないショルティ。巨大で攻撃的なオーケストラ相手に、粛々とコントロールされた音色を作るシフ。それぞれで完成させたものを持ち寄る、これこそが本当の協奏曲の取り組み方だよな。2つの本気がぶつかって、対抗して、微笑んで、逃げて追って、一緒にゴールする。チャイコフスキーのこの協奏曲をこんなに面白く聴いたのは久しぶりかも知れない。この痛快な楽しさ、笑うしかない。最後まで聴き通して、シフとショルティは意外に通じ合えるものを持っているという考えに至った。
やっぱりショルティは特別な指揮者だったなと振り返る。亡くなった時はショックだったけど、枯れたショルティを見ずにすんで、良かったのかも知れないと今になって思う。あれからもう11年か・・・。
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