加納朋子「ささらさや」
今朝の電車で読了(ISBN:9784344405042)。連作短編のような形の作品で、「佐々良」という街に住み始めた主人公「サヤ」とその周囲が描かれている。交通事故で亡くなったサヤの夫が登場して、サヤを守り導いていく。最初のほうのサヤの絶望に僕もめげてしまったけど、サヤの周りに集い出す登場人物の喧騒が段々と物語を温めていくに従って、ホッと出来た。佐々良の描写も、最初は殺伐としていて気を許せない空気だったのに、それもいつの間にか消え失せていた。子育てに心細さを感じている母親たちに勧めたい本だ。一応、カテゴリとしてはミステリになるのだろうか。「てるてるあした (幻冬舎文庫)(asin:4344410793)」よりは、ミステリっぽい。