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オイゲン・ヨッフムのブルックナー

今日の仕事の終盤は滅入る単純作業が続いたので、気晴らしにオイゲン・ヨッフムが指揮したブルックナー交響曲第3番」を聴いてみた。この曲への僕の共感度は低いほうだ。ブルックナー交響曲にはいきなり音楽がガクッと止まる瞬間が多く、特に「第3番」までの初期の作品*1はそれが目立っているように思える。「第3番」の旋律の息は短く、脈絡がなさそうな楽想に僕は冷静になってしまう。この作品にしかない個性があることは分かる。その個性に触れることだけ取り出しても、魅力的な関わり合いだと思うが、もっと無尽蔵の感動が欲しいと思い続けていた。

と、その程度の受け取り方で「第3番」を知った気になっていたなんて、僕は馬鹿だ。ヨッフムの指揮する演奏で聴くと、休止が入ろうが楽想が切り替わろうが、繋がりも推進力も失われない。単純作業をしながら耳がどんどん拓かれていくのが分かった。やはりヨッフムは凄い指揮者だ。彼とシュターツカペレ・ドレスデンは一体となって、響きを隙間なく塗り重ねて、優しい緊張を積み上げる。最終楽章の最後の瞬間に、僕は思わず頷いていた。僕はブルックナーが好きで、ヨッフムが好きだ。

*1:「初期」とくくってしまうことの迷いはある。分からない。