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モーツァルトの室内楽

モーツァルトのオーケストラ曲を昨年は多く耳にしてきた。そこで感じたのは、モーツァルトは基本的にはホモフォニックな作曲家だということ。主要な旋律があり、それに従属するような形で和声的な要素が囲むという形。「交響曲第40番」にしても、「フィガロの結婚」序曲にしても、旋律とそれ以外という主従関係的な音楽が展開されているように思うのだ。

しかし室内楽、特に弦楽四重奏は全く違う。先日、モーツァルト弦楽四重奏を間近で鑑賞できる機会があったのだが、その音楽が鳴り響く場に存在していたモーツァルトの音楽の特別さというか輝きというかには心底驚いた。バッハ以上のポリフォニック的な要素を保持している。4つのパートそれぞれに同じ重さが置かれている厳しい音楽。無駄なく4つの音楽が絡み合うその瞬間瞬間に、モーツァルトの音楽の何たるかを僕は何も理解できていなかったという反省と焦燥を感じ続けていた。モーツァルトのあんな作品を演奏できる弦楽器奏者に対して、僕は嫉妬する。