寺脇研「格差時代を生きぬく教育」
- 作者: 寺脇研
- 出版社/メーカー: ユビキタスタジオ
- 発売日: 2006/12
- メディア: 単行本
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年末のうちにある程度読み終えていたのだが、体調を崩したりしたこともあって、やっと昨日読了。喋り口調を厳密に収録しようという感じが少しうるさかったり、インタビュアーの個人的事情から話が逸れたりすることに妙な思いを持ったりもしたけど、大筋楽しみながら読めた。間接的な知り合いの名前が登場したりして、この世界の狭さを感じたりもした。この方、文化庁に在籍されていた時期が最近まであったことにも驚いた。
寺脇さんの考えはよく伝わってきた。狙っていたことも分かった。この人は良い意味で官僚的ではなかったのだと感じた。学力低下論争ではどちらかと言えば反ゆとり教育の和田秀樹さん達の論評を僕は支持してきたのだけど、今はその考えを再検証してみたい気持ちでいる。寺脇さんの言葉にあるように、問題を安直に二元論にしてどちらかに加担するのは簡単だが、それは思考の停止。この数年のうちには否も応もなく考えさせられる局面が訪れると思うが、その前にニュートラルな側に寄せてくれたのには感謝。
ただ世の教育者やそれをサポートする人達には、寺脇さんほどのバイタリティや知恵がないかも知れない。寺脇さんが夢見た理想を詰め込む箱はあっても、不運な巡り合わせによっては空虚な環境に子供は置かれることになる。地域や親のネットワークがそれを防ぐために、監視・助言していかねばならないのだ。
ところで寺脇研さん、京都のラジオ局に深く関わっているらしい。会いにいける距離じゃないか。話を聞いてみたい。