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灰谷健次郎、逝去

はてなブックマーク経由で知った灰谷健次郎の逝去。電車の中に居るのに、驚きのあまり思わず声を出してしまった。今年の訃報は重たいものが多い。教育基本法のことをすぐ連想してしまった。72歳というのは岩城宏之と同じだったろうか。

灰谷さんの「兎の眼」には小学校4年生の時に接している。担任が産休になり、その代わりに来た教師が毎週時間を作ってクラスの皆に読み聞かせてくれたのが最初だ。作品の力に惹き付けられたのか、その教師の張りのある声に惹き付けられていたのか、分からないけど。好きな作家と訊かれると考え込んでしまう。世に必要な仕事をした作家だとは思う。もう一方の分銅。

無責任に思うことは、「兎の眼」以上の作品は書けなかったのではないかということ。「砂場の少年」や「少女の器」では、「兎の眼」にあった自然さがなくなっている気がしたし、登場人物の息遣いが感じられず落胆した覚えがある。亡くなられた今、再読してみるのも良いかも知れない。