大学で数学を勉強していたり物理を勉強していたりした、いわゆる“理系”な作曲家は少なくない。今、存命中で音楽大学出じゃない作曲家の殆どがそういった来歴である気がする。松平頼暁、別宮貞雄、湯浅譲二、吉松隆、江村哲二とか。それに、“数学と音楽は通じるものがある”と言われていたり、作曲家本人がそう言っていることも多い。
武満徹も音楽大学の出身ではないが、彼は文学的な要素から音楽を深めていったように見える。数を象徴的に使うことはあっても、音楽に昇華していく部分では数学的な考え方はしていなかったと思う。高い評価を得たのは武満のほうだが・・・。