ワイセンベルク/スクロヴァチェフスキのショパン「ピアノ協奏曲」を聴いて
「ピアノ協奏曲第1番」を聴いているが、トロンボーンのパートがはっきりと発音されていて楽しい。ショパンが書いた音なのだから削るのはもったいないし、あってはならないと思っていたら、都響のトロンボーン奏者 古賀さんのブログ(http://ktrb.seesaa.net/article/17009755.html)で、デプリーストがカットを指示したことが書かれていて驚いた。ただでさえ黙しがちなオーケストラパートなのだから、トロンボーンの使いようによって面白く聴かせられると思うのだけど・・・。それが流行なのだろうか。
ワイセンベルクの音は、僕の持っている今のスピーカー装置で聴く限りでは、変化がなくて平凡。テンポの揺らしなどは自然で良いし、左手のパートが明確に聴き取れるのも素敵なのだけど、「弾いている!」という以外の感慨が残らない。何か雰囲気がないんだよね・・・。それでも聴き続けていると、こういう演奏にはなかなか出会えない気もしてきた。ピアニストによっては、部分的に中途半端に詩情を出したりもするけど、ある瞬間が来れば、ワイセンベルクのようにバリバリと弾く弾き方になっていたりするし。ワイセンベルクのように一貫してバリバリ弾き切られると、これも個性だなあ、と。オーケストラはパリ音楽院管弦楽団。パリ管弦楽団に改組される寸前の録音になるのかな。意外に弦楽器が雄弁。バシッと音を切る箇所が多くて、爽快だ。