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スルタノフの演奏

聴き直した。

彼は協奏曲よりも、独奏曲のほうが真価を発揮できるのだろう。ラフマニノフピアノソナタの音圧は呆れるほど。音楽は嵐のように荒れ狂い、刻々とその容姿を変えていく。その激流に身を任せるのが心地いい。ライブでこんな演奏されれば、腰を抜かしそうだ。

彼の激しいキャラクターは協奏曲ではうまく機能していないように思った。音楽の揺れ動きというよりかは、腰の座らない演奏、という印象が僕には残る。部分的には、個性的な表現もあってワクワクさせられるのに、なぜか安心して聴いていられない。最強音と最弱音の差はかなりのものがあって、ソナタで聴けたような音圧もあるし、消え入りそうなピアニシモも蠱惑的な存在感を持っている。だが、その間が抜け落ちている気が。滑らかにスライドする音量の変化や、音色の変化に乏しいように思った。唐突に一つの音が突出したり、急にフレーズが行方不明になったり。うーむ・・・。第3楽章は技術的にも不安が残る。彼のテンポではないのか?