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ツィマーマン/小澤征爾のラフマニノフ

クリスチャン・ツィマーマンがピアノを弾き、小澤征爾が指揮をしたこのCD。

ピアノの音色の処理には穴は無いと思う。あまり丁寧に弾かれることの少ない内声部も、この演奏ではうるさ過ぎず隠れ過ぎずに、透明な存在感を持っている。凄いテクニシャンであることは分かるのだが、どこか心を許せないのは何故だろうか。

小澤征爾の指揮するボストン交響楽団、遠い録音で何をしているのか分からない。冷静な音楽作りなんだと言われればそれまでだが、表出意欲の欠如と僕は受け取った。ボストン交響楽団の団員にとっては、つまらないレコーディング・セッションだったろうと想像する。

演奏家には完璧を期すための向上心が必須だが、聴き手側にとってみれば音楽が完璧である必要はない。何が感動に繋がるかなど、誰にも分からない。もちろん演奏家はできなかったことを把握して、次を目指していく必要がある。聴き手側が完璧さを求めていないとしても、そのことに甘えて欲しくはない。矛盾しているかも知れないが、僕はそんなことを思っている。

この録音の完璧さは凄いが、どこか不自然だ。これは音楽なのだろうか。