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N響アワー、ユンディ・リのピアノ

昨日放送していたN響アワーユンディ・リの弾くショパン「ピアノ協奏曲第1番」だった。今、聴いてみているのだが、これ放送してはいけないのではないか。ユンディ・リのピアノの前に、ショパンのワルツを弾くブーニンの映像が出たせいもあって、ユンディ・リの内容の悪さが際立ってしまっている。光るものがない、とか言った次元ではない。ミスタッチ多い。フレーズ感無し。左手乱暴。指もつれる。オーケストラと競うわけでも、協調するわけでもなく、何とも微妙な雰囲気が充満している。期待しただけ損をしてしまった。

阪哲朗さんの指揮するオーケストラ・パートは、かなり作り込まれていて感心した。ロシア風(ポーランド風?)のセッティングであるところにも、こだわりが感じられる。弦楽器は繊細な表情付けがされている。しっかり弾いて欲しいと僕が思う箇所も、毅然と弾き切ってくれてスッとする。木管楽器も、ファゴットが弱いけれども、押し並べて良い。全体としては、ハーモニーのバランスが崩れる箇所が部分的に有って、どうも気が殺がれるのが難点か。それに1本のトロンボーンはもう少し巧い人を乗せて欲しかったな、なんて。このオーケストラの作り方は、阪さんの意図なのだろうな。けれどもこのこだわりのせいで、ユンディ・リが自由に音楽できる余地がなくなったのだったら、それは意味が無い気もする。

ゲストの上妻さんのコメントも、曲自体への思いは熱がこもるけど、今聴いたばかりの演奏について直截的には何も言っていないに等しいし。曲への思い入れがあるなら尚更、この演奏は好きになれないだろうな。

ユンディ・リは正式なレコーディングを行なっているのだろうか? もしくはコンクールの実況録音はCD化されているのかな? 探したい。今回のN響との共演での出来は、調子が悪かったのだと信じたい気分。ホールのピアノとの相性が悪かったのかも知れないし。