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リパッティのショパン

リパッティが弾くショパンソナタ第3番を聴く。録音は1940年代だったか。最初のうちは、雑音をかいくぐるような感じで耳を澄ましていたが、音質の悪さは段々気にならなくなってきて、終楽章の頃にはリパッティの音楽を自然に掴みとれるようになった。歴史的録音を聴く醍醐味。

音楽が生きているな、と思う。瞬間瞬間の表情が多彩で、音楽の動きに幻惑させられているかのよう。真剣さが伝わってくるから、行き当たりばったりのような印象は受けない。ワルツと比べると、より情熱的な表現で、終楽章などはさながら嵐のよう。こちらも緊張する。

真剣に音楽に相対しているリパッティに、僕は近付きたいと思う。ピアノは弾けなくとも、気持ちや創作においては、同じ高みを目指したい。33歳で逝かねばならなかったリパッティは、その時点での周囲からの評価がどれだけ高かろうと、やりきれなく悔しかったことだろう。そして、自分が求めることをやりぬくために、命を燃やしたことだろう。僕はこの音楽に揺さぶられているせいで、馬鹿なことを書いている。