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ピクニック・コンサート(去年の?)、郎朗と

録画したビデオテープに続けて入っていた。郎朗のピアノ、ラトルの指揮でチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番。二人とも濃い顔。

凄い! 最高のテクニックの持ち主だ、郎朗。指回りを見せるだけでいいような難しい箇所で遊んでる! ピアノ・ソロだけになると、ベルリン・フィルの団員が郎朗をジッと見ている、その雰囲気、今凄いことが起こっていることが分かる人達の雰囲気が伝わってくる。第1楽章が終わって当然のように拍手が沸き起こる。この拍手は我慢できないよ。ただ最後のベルリン・フィルの音はひどかった。

第2楽章でも郎朗の凄さを見せつけられる。余裕ありまくりだし、押さえるべき表情の出し方も平均点以上。そして第3楽章には呆れかえりました・・・。何だ、このピアニストは、テクニックと遊び心では紛れもなく世界最高だ。最初の主題も、一本調子にならないように狙っているのか、丁寧に音量と弾き方に変化を持たせてくる。僕の記憶にある難しいフレーズも、いつの間にか無理なく通り過ぎているし、ベルリン・フィルと一緒にテンポを揺らすところも自然で危な気がない。それに、両者共にお互いを煽る煽る。どこまで速くなるんだ? この難曲が至極簡単に聞えてくるじゃないか。と思っているうちに圧倒的なコーダに。途中で出てくる優しい主題が最後に高らかに歌われる箇所での郎朗の優しい音色、それにうっとりしていると、それは直後のパートとのコントラストのための表情抑えだったのか! 最後の最後の半音階、鍵盤を見ていない! こんなピアニスト初めて見た! 全盛期のホロヴィッツもかすむ。出てるCDは要チェックですよ、これは。

郎朗のこの才能、ピアノだけに向けていいのだろうか? いや、ピアノを弾かなくなっても困るが、この嘘のない表情とアクションで指揮をさせてみたい。