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シベリウス「樅の木」

久々に弾いてみた。指がきちんと楽譜を覚えていて、グッと来た。僕の音楽的な記憶、捨てたものじゃない。何回も何回も弾いた曲なのだ。当然と言えば当然だが、前に弾いたのがいつなのかも覚えていない。いや、蓋を開けたのもいつだったか。

オカルティックかも知れないが、今日はシベリウスと心の交流を行なえたような気がしている。この曲はもう、僕自身の曲のようだ。きっとシベリウスがこの曲を書いた時に感じたことと、今の僕が弾きながら感じたことは同じだ。同じ気持ちが時間を超えた。有り得ない感想だが、それほどの親近感があった。明るい記憶も、辛い時間も、全て知り尽くした樅の木が、ポツポツと語りかけてくるような曲。とても素敵だ。激しい箇所は、嵐の描写か。それとも静かに立つ樅の木の内部で渦巻く、命か。

こういう曲を創りたい。この曲にある複雑な感情と、今の時代に相応しい新しさとを包含した曲を。ああ、目が冴えて冴えて、困る。シベリウスめ。