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ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」

色々と聴いてきたが、これが決定盤だという気持ちは変わらない。

ラフマニノフ:P協奏曲第2番

ラフマニノフ:P協奏曲第2番

今手元にあるものとはCD番号が違うのだが、録音に大きな違いは出ていないと思う。これほどオーケストラが雄弁で、ピアノと拮抗する存在感を出しつつも、全体のまとまりに欠けていない録音はない。言い切れるか? 言い切ろう。ホルンの音量変化、消えゆきそうなクラリネット、表情豊かなヴァイオリン、どれもこれも素敵過ぎる。そして凄いテンポの揺らせ方。アーロノヴィチとロンドン交響楽団、凄いよ。ピアノのヴァーシャーリには切れるようなテクニックは無いが、色々な音色を出し入れする自在さには感心する。ピアニストはこうでなければ! 指揮のアーロノヴィチは最近亡くなったと聞いた。それが本当なら残念。まとまった録音を残す機会に恵まれないまま、亡くなってしまったわけで・・・。このノリで、チャイコフスキー交響曲全集とか聴きたい。

他の盤のことも書こう。評判の良いリヒテル盤、オーケストラは何もしていない。味わいはあるのかも知れないが、この曲ならもっとピアノと渡り合える可能性があるのだし、伴奏に徹し過ぎるのは勿体無い。あとリヒテルも鍵盤をぶっ叩いてるだけのような印象で、1楽章・3楽章での和音強打の音の汚さは、僕の耳には馴染まない。音色美を気にするのは2楽章だけでいいのか? そんなわけがない。ツィマーマン盤。ピアノは、今までの録音では聴き取れなかった部分にもフォーカスを当ててくれていて嬉しくなるのだが、オーケストラが伴奏伴奏し過ぎる。小澤征爾は協奏曲になると、曲への愛が少ないように思える。この前買ったブロンフマン盤。ピアノは素敵なのに、やっぱりサロネンが今ひとつ。弱い、薄い。瞬間的にいい場面はあるのだが、テンポの揺らせ方や本気度では、アーロノヴィチには敵わない。バティスが指揮した録音も手元にあって、オーケストラはいい線行っているのだが、今度はピアノが少々非力に過ぎて・・・。で、やっぱりヴァーシャーリ/アーロノヴィチ/ロンドン響に戻ってくるわけです。